2020 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞のT管支持機構と崩壊機序の解明による新規心不全治療戦略の創出
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17H04740
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
氏原 嘉洋 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80610021)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | T管膜 / 心筋細胞 / リモデリング / バイオメカニクス / 脂質 / 流動性 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋細胞に存在するT管膜は,心筋細胞の効率的な収縮・弛緩に必要不可欠であり,その崩壊は心不全に直結する.しかしながら,T管膜構造の支持機構と崩壊機序には不明な点が多い.2020年度は,心筋細胞のT管膜構造を支える膜タンパク質に加え,T管膜を構成する膜脂質にも注目した.まず,第二次高調波発生(Second Harmonic Generation, SHG)光輝度値は細胞膜の構造変化を反映するという知見に基づき,細胞膜のダメージに起因する細胞膜構造変化の定量化に挑戦した.2光子顕微鏡とSHGイメージング専用色素AP3を用いて,心筋細胞膜のSHGイメージングを行った.しかしながら,細胞膜のイメージングには成功したものの,ダメージ量の定量化には至らなかった.続いて,心筋細胞の膜を構成する脂質の流動性の評価を試みた.共焦点レーザー顕微鏡と膜環境感受性色素Laurdanを用いて,心筋細胞と比較対象として平滑筋細胞のGeneralized Polarization(GP)を定量化し,膜脂質の流動性を比較した.その結果,心筋細胞の膜脂質のGPは,平滑筋細胞よりも顕著に低かった.GPは,低いほど流動性が高いことを意味することから,心筋細胞の方が平滑筋細胞よりも膜脂質の流動性が高いことが示唆された.心筋細胞は,拍動ごとに収縮と伸展負荷に曝されており,T管膜構造にも繰り返し力学負荷が作用する.T管膜構造を維持するためには,膜構造の頑強さだけではなく,局所的なダメージの蓄積を防ぐために適度な流動性が必要であると考えられる.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)