2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H04753
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤井 直人 筑波大学, 体育系, 助教 (00796451)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 熱放散 / トレーニング / 薬理学 / 循環調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度では、プロテアーゼ (ペプチド結合を切断する酵素)により活性する受容体 (PAR2)と、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が、ヒトの皮膚血管拡張と発汗反応に影響するのかを明らかにすることを目的として、研究を進めた。本研究において、被験者は、50-60%最大酸素摂取量の強度での自転車運動を暑熱下 (35℃)で行った。測定中は、皮膚血流量 (レーザードップラー血流計)と発汗量 (カプセル換気法)を連続的に測定した。0.05-5 mMのSLIGKV-NH2を皮下のマイクロダイアリシスを介して投与することで、PAR2を活性させた。さらに、マイクロダイアリシスを用いて、0.1-10uMのANPも皮下に投与した。その結果、PAR2を活性させた場合には、常温下安静時の皮膚血管拡張が起こったものの、暑熱下運動時の皮膚血管及び発汗反応はPAR2活性の影響を受けなかった。また、暑熱下運動時の皮膚血管及び発汗反応もまた、ANPの影響を受けなかった。ANPのデータに関しては、すでに雑誌に掲載されており (Fujii et al. Temperature 4(4):406-413,2017; DOI: 10.1080/23328940.2017.1356433)、PAR2のデータも、リバイズ中である (Temperature, manuscript number:KTMP-2018-0029)。また、関連する研究として、暑熱下運動時の皮膚血管拡張反応に熱ショックタンパク90が関与することを明らかにし、このデータはすでに論文に掲載されている (Fujii et al. Journal of Applied Physiology 123(4):844-850; DOI: 10.1152/japplphysiol.00446.2017 )。さらに、他3つの論文を国際誌に掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記の研究実績の欄にも既述したように、当初予定していた2つの実験を行い論文投稿・掲載するのに加えて、他4つの実験を行い、それぞれ国際誌に掲載したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、体温上昇時の皮膚血管及び発汗反応に、①シクロオキシゲナーゼ1、2、②ニコチン受容体、③TRPV4チャネルが及ぼす影響を検討する予定である。
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Research Products
(12 results)