2019 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア複合体II会合を標的とした骨格筋異常に対する新規治療法の確立
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17H04758
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Research Institution | Hokusho University |
Principal Investigator |
高田 真吾 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 講師 (60722329)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨格筋 / マイオカイン / 心不全 / 運動能力 / ミトコンドリア / 加齢・老化 / 筋萎縮 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全患者での運動耐容能の低下は独立した強力な予後規定因子であり(Takada S. Front Cardiovasc Med 2020)、我々はその主要因が骨格筋ミトコンドリア障害であることをあき らかにしてきた(Takada S. Cardiovasc Res 2016; Matsumoto J*, Takada S*. Circulation 2018; Nambu H*, Takada S*. Eur J Pharmacol 2020; Nambu H, Takada S. Cardiovasc Res 2020; Kakutani N, Takada S. Skeletal Muscle 2020)。しかしながら、ミ トコンドリア機能の障害部位や制御機構は不明なままであった。 ミトコンドリア複合体II(complex II)は、電子伝達系の一部であり、酸化的リン酸化によりATPを産生するが、ミトコンドリアDNA(mtDNA)にコードされていな いこと、内膜のプロトン(H+)の濃度勾配に関与しないこと、超複合体に含まれていないことから重要視されてこなかったため、研究が全く進展していない(Maekawa S, Takada S. Biochem Biophys Rep 2020)。 本研究の目的は、心不全に起因するcomplex IIの会合不全における形態・機能的制御の破綻が、ミトコンドリア呼吸能低下を介して骨格筋異常の発症・進展に関 与するという仮説を検証し、その新規治療法を開発・確立するものである。 ミトコンドリアのSDHA, B, C, Dのタンパク発現および活性、complex I由来の呼吸能にも群間に差がないにもかかわらず、complex I+IIおよびcomplex II由来の ミトコンドリア呼吸能はsham(偽手術)群に比較し、心筋梗塞(MI)群で有意に低下することをあきらかにした。したがって、心不全モデルマウスの骨格筋 complex II由来ミトコンドリア呼吸能の障害はミトコンドリア複合体会合因子の異常である可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究目的である心不全マウスの骨格筋におけるミトコンドリア複合体IIの呼吸能や会合因子が低下していることを明らかにした。また、骨格筋ミトコンドリア機能はcomplex Iとcomplex II由来の呼吸能が同等であり、各構成タンパク(SDHA、SDHB、SDHC、SDHD)の発現量ではなく、complex IIの会合レベルで制御されていることを明らかにした(Maekawa S, Takada S. Biochem Biophys Rep 2020)
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Strategy for Future Research Activity |
ミトコンドリア複合体会合因子の欠損が骨格筋ミトコンドリア機能に与える影響を検討するため、骨格筋培養細胞におけるミトコンドリア複合体会合因子ノック ダウン細胞およびノックアウトマウスがミトコンドリア機能、複合体タンパク質に関与することを証明する。また、関与が証明された場合、治療法を開発することを目的とする(Kawamura E, Takada S. Mol Ther Nucleic Acids 2020; Katayama T, Takada S. Mitochondrion 2019)。
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Research Products
(27 results)