2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H04765
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山方 恒宏 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (50716248)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ドーパミン受容体 / ショウジョウバエ / キノコ体 / 学習 / 記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、異なる受容体を介したドーパミン神経伝達の機能的意義を明らかにすることを目的とした。ショウジョウバエ脳の学習中枢キノコ体に着目し、ハエの持つ全4種のドーパミン受容体の発現解析を網羅的に行い、その構成原理の理解に向け、2018年度は以下の項目を実施した。
1.前年度までに作製していた全4種のドーパミン受容体の発現を特異的に捉える遺伝子発現制御系統を用い、キノコ体における各受容体の発現細胞を可視化、共焦点レーザー顕微鏡によって3次元データ化した。キノコ体における各受容体の発現様式を細胞かつシステムレベルで理解するため、受容体発現レベルの自動定量システムの構築を行った。特にキノコ体の細胞数は膨大なため、各受容体の発現量や局在相関の解析には、微小な細胞を高精度・高効率に検出する解析ソフトウェアパイプラインの完成が不可欠である。現在、当該システムの構築中であり、画像解析法の設定を詰める段階である。 2.同じく前年度までに作製していた各受容体分子をGFPによって直接標識したトランスジェニックショウジョウバエを用い、細胞下レベルの受容体分子の発現分布の可視化にも成功した。現在その発現パターンを解析中である。 3.キノコ体におけるドーパミン応答とそれに対する各受容体の寄与を生理学的に理解するため、1,2と並行し、共焦点レーザー顕微鏡下におけるハエの神経活動のカルシウムイメージング技術を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
キノコ体細胞ごとに各ドーパミン受容体種の発現レベルを定量するため、3次元データ上での細胞自動検出システムを構築する過程で、当初の予定に反し、細胞の自動検出がうまく働かず、細胞数カウントの自動化に技術的な困難が生じた。研究遂行上、膨大な細胞数を解析するために、細胞を高精度・高効率に検出するパイプラインの完成が不可欠であるため、画像解析手法の再検討と当該システムの再構築を行う必要が生じた。これ以外の進展はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
画像解析手法を再検討し、細胞の自動検出システムを完成させる。本システムを用い、キノコ体における各受容体の細胞レベルの発現様式を解析する。並行して、各受容体分子の細胞下レベルの受容体分布解析も行う。これらの結果を総合し、キノコ体のドーパミン受容体発現様式を網羅的に理解する。 また確立したライブイメージング技術を用い、キノコ体内ドーパミン応答における各受容体の機能を生理学的に解析する。
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Research Products
(4 results)