2020 Fiscal Year Annual Research Report
精神分析理論をもとにした『狂気と創造性』の問いをめぐる包括的な思想史的研究
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17H04769
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 卓也 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (90782566)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 精神分析 / 病跡学 / 狂気 / 創造性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、16H06876「「狂気と創造性」の問いをジャック・ラカンの精神分析理論をもとに発展させる試み」を発展・継承するものであり、これまで行ってきた西洋思想から現代思想に至る狂気と創造性についての研究は、2019年3月末に『創造と狂気の歴史』に単著としてまとめられている。今年度は、この単著の刊行後にさらに発展的な検討を行い、国内外での発信を行った。 特に、フランスの精神分析の専門誌に掲載された「Nakai Hisao : clinique, art-therapie et politique」は、本邦の有名な精神科医である中井久夫の芸術療法と統合失調症論の関係を論じるものであり、中井に関する査読論文がはじめて英仏二言語で刊行された意義は大きいと考えられるが、本論文は本研究課題が主として取り扱った「西洋思想史における狂気と創造性」から発展的に、日本の臨床と思想を論じることによって可能になったものである。 また、その他にも、中井久夫と木村敏を論じた「「ポスト反精神医学」としての現代の臨床:精神病理学の視座 」、および精神分析の思想史的検討を通じて得られた知見をもとに書かれた「精神分析における歴史的症例報告が精神医学に与えたインパクト:症例アンナ・O を例として」等、国内においても本研究課題から発展的な論考を発表することができた。 今回は、新型コロナウイルス感染症などの影響もあり、本研究課題に関して海外調査を行うことはできなかったため、今後の課題としたい。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)