2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of undescribed langauges in the eastern Tibetosphere and their geolinguistic research
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17H04774
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
鈴木 博之 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 外来研究員 (10593006)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | チベット語 / チベット・ビルマ諸語 / 地理言語学 / フィールドワーク / 言語接触 / 中華人民共和国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大きく1)現地調査、2)データ整理・解釈、3)成果発表の3種に分かれる。 1)については、研究代表者自身について、中国四川省を中心にフィールドワークを行い、同地域で話されるチベット系諸言語の語彙データ(最大2000語)、構文データ(最大200文)を収集した。これには、カムチベット語およびアムドチベット語が含まれる。次に、研究協力者2名をチベット自治区チャムド市に派遣し、チャムド市内に分布域のある未記述言語の計8種類の変種(方言)について、それぞれの社会言語学的情報と語彙資料(最大2000語)を収集した。この調査においては、チベット系未記述言語の記述も含み、未記述言語との関連を考えるうえで重要になる資料を収集した。記述した言語には、ラモ語(ドンバ方言およびラメ方言)とカムチベット語が含まれる。 2)については、まず収集した語彙資料の電子化し、検索可能なデータベースとした。同時に、収集したデータの地点をGoogle Mapsを用いて緯度経度情報を取得し、言語地図作成のためのオンラインソフトArcGIS onlineで扱える形式にまとめた。また、チャムド市内の未記述言語のデータについて、語彙形式の比較を行い、チベット系諸言語からの借用語を判別し、抽出できた本来語と考えられる語彙に音韻対応が認められるかについて分析した。 3)については、各種国際学会で11件の口頭発表を行った。今年度に本研究課題にかかわる論文が8件公開または受理された。加えて、編著を1冊出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の調査計画に基づき、研究代表者による現地調査のほか、研究協力者による調査派遣も行い、予定に沿ったデータ収集を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に行った調査から、調査した地域における言語状況についてさらに詳細な調査が必要であることが判明した。継続して現地調査を実施することで一定の成果が見込まれると判断できる。このため、今年度も同一地域における現地調査を継続しつつ、成果をまとめていく。
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