2018 Fiscal Year Annual Research Report
Institutional design and political legitimacy in autocracy: Cross-national analysis and survey experiments
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17H04779
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
東島 雅昌 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (10756349)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 政治制度 / 権威主義体制 / 民主化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、権威主義体制の政治制度設計と支配者への市民の正統性認識の分析を可能にする国際比較データ・サーベイ実験データの構築・分析に従事した。政党組織や議会、選挙といった権威主義体制の制度がどのように形成され、それら政治制度がいかなる政治経済的帰結を持ちうるのかについて、分析を進めた。研究プロジェクト全体は、大きく4つの軸からなっている。第一に、権威主義体制の選挙の起源と帰結に関する英語の単著本を完成させ、アメリカ合衆国・ミシガン大学のWeiser Center for Emerging DemocraciesにてBook Conferenceを開催した。完成原稿は現在、米国の大学出版部にて査読に付されている。第二に、政党組織に関する国際比較データの構築に従事した。このデータセットはスウェーデン・イェーテボリ大学のVarieties of Democracyプロジェクトと共同で専門家調査を実施しており、政党組織と政党アイデンティティに関するベータ版データが完成した。第三に、サーベイ実験データに関して、調査先であるカザフスタンの調査会社と質問票の最終調整をおこなっており、同時に学生サンプルでのプリテストを終了した。政府内の意思決定の仕組みの違いが市民の体制への支持にどのような影響を与えるのかについて分析をおこなう予定である。最後に、キルギスタン・バキエフ体制期の議会議事録の量的テキスト分析をミシガン大学の共同研究者とともに取り組んでおり、テキスト・データの整備を進めながら、分析を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに国際比較データに関してはデータ構築が完成しており、微調整ののち、2020年9月末にはデータが一般公開される予定である。すでに新データセットを用いた権威主義体制の政党組織の起源と帰結に関する実証分析を進めている。サーベイ実験データに関しても、質問票はほぼ完成し、あとは全国サンプルの予備調査と本調査の実施を残すのみとなっている。量的テキスト分析に関しては、データのクリーニングをおこないながら、予備分析をおこない、アメリカ政治学会での報告に向けてペーパーにまとめる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、国際比較データの分析を進めて、権威主義体制における政党組織・選挙操作・選挙結果に関するプロジェクトを進め、いくつかの論文にまとめる予定である。サーベイ実験データに関しても、データを採種後、直ちに分析に入り、2020年度中にペーパーとしてまとめる予定である。キルギス議会議事録のテキスト分析に関しては、2020年度のアメリカ政治学会での報告が受理されている。
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