2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17H04784
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
坂和 秀晃 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (70513125)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 財務会計 / 企業統治 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究活動では、企業の利益管理活動と日本の企業の利益管理についての実証分析を行ったことがメインの研究実績となると考えられる。第一に、学術雑誌に掲載された論文では、メインバンクによる株式所有自体が、上場企業経営者に対する規律付け機能を果たすのか否かといった点からの分析を行った。メインバンク自体の株式所有が減少する現状ではあるものの、日本の企業統治の特徴としては、メインバンクやメインバンク関係による資本調達を中心とした銀行型企業統治であるということは、現状でも変化していないことから、メインバンク関係がどのような影響を与えるのかといった点を明らかにする意義は大きいと考えられる。そのような観点から、実証研究を行っている。 第二に、メインバンク関係が実際に企業経営者に及ぼす影響として、その金融知識を専門家として生かせるかどうかといった視点も重要である。したがって、そのような視点から行った実証研究について、国際学会等で報告を行うと同時に改善を行っている状況である。 加えて、その他にも企業統治と関係する研究活動を行った。具体的には、日本企業の企業統治の特徴の一つである系列企業集団内に存在するParent Controlの問題が、企業統治として健全に機能しているのかどうかといった点についての実証研究を行った。同内容については、国際学会で論文報告を行うと同時に、学術雑誌に投稿・掲載許可を得ることができた状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画では、第一に利益管理についての研究論文の内、一本を英文学術雑誌に出版することができた。また、もう一本の論文についても国際学会での研究報告を行うことで、今後の発展に期待できるコメントを得ることができた。第二に、企業統治に関する研究として、Parent Controlに関する論文を国際学会で報告するとともに、学術雑誌からアクセプトされた。又、その他の関連研究についても進んでいることから、おおむね順調に進捗していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、現在までに行っている途上の研究の延長を行っていくことを計画している。その際に、実証分析の性質上、データ分析方法自体あるいは得られた実証結果からどのようなインプリケーションを引き出すかといった点が非常に重要になる。したがって、そのような知見を得るために、国際会議等での報告を行い、他の研究者からのコメントを参考にして、論文内容を改善させていく。同時に、現実社会での動きが激しく、国際学会等でも多様な議論が行われていることから、そのような最新の議論を理解し、自身の論文に反映させることを目指す。
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