2019 Fiscal Year Annual Research Report
3 system model: A departure from dual process model
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17H04786
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
及川 昌典 同志社大学, 心理学部, 教授 (40580741)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 3システムモデル / 二重過程理論 / 意識 / 無意識 / 社会 / 文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの心理学研究において想定されてきた意識(システム2)と無意識(システム1)という2つのシステムに加えて、社会的な規範や制約(システム3)という第3のシステムを新たに想定する3システムモデルの観点から、前年度までの研究の成果を踏まえて、システム1、システム2、システム3のそれぞれに想定される心の働きの特徴について、より詳細に検証するための調査ならびに実験が行われた。 10の国と地域からなる2,816名の参加者を対象とした、日常の運動行動に関する研究が実施され、人間の日常の行動を支える3つのシステムの通文化妥当性、ならびに文化差について理解するうえで重要な成果を上げた。また、システム1ならびにシステム2の働きを調整する要因としてのシステム3、すなわち社会や文化的背景の働きや、これらの働きを検証するための効果的な研究枠組みについても、重要な示唆が得られた。これらの研究の成果の一部は、国内外の学会で公表された他、学術誌にへの投稿準備も行われた。 さらに、3システムモデルの基礎的な知見を現実の問題に応用するために、目標達成や運動パフォーマンス、ジェンダー・ステレオタイプ、親密な他者関係や対人認知、自己制御や健康行動、消費行動などの応用分野におけるシステム1、システム2、システム3のそれぞれの働きについて検証するための予備調査、ならびに実証研究が行われた。これらの研究の成果の一部は、国内外の学会で公表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大により一部の研究会等が中止されたものの、当初の研究計画に沿って、3システムモデルの通文化妥当性、ならびに文化差について検討するための国際共同研究が行われ、その成果の報告についても想定されていた通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を踏まえて、3システムモデルについて得られた基礎的な知見を、現実場面における健康行動や対人認知の分野に応用するための研究の実施が計画されている。そのためには、これまでの共同研究者たちとの連携を継続・強化することが求められる。 新型コロナウイルスの感染拡大により、データ収集や学会等での成果公表に困難が生じることが想定される。よって、本年度は事態の収束を見守りつつ、オンラインでの成果公表やデータ収集にシフトすることで、当初予定されていた通りの研究成果を上げることを目指す。
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Research Products
(11 results)