2017 Fiscal Year Annual Research Report
障害児の社会経済特性と教育のインクルージョンに関する国際比較研究
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17H04791
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川口 純 筑波大学, 人間系, 助教 (90733329)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会包摂 / インクルーシブ教育の導入過程 / 社会経済特性 / 阻害要因 / 教育の包摂性 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績としては、まず第一にインクルージョンの定義に関する確認を実施した。本研究は、3か国を対象に実施するため、全体の分析枠組みと個別の分析枠組みの2つを用いて、研究を実施してきた。国際的には、「如何なる状況が教育のインクルージョンを達成しているか、という定義は徐々に確立されてきているが、異なる国や社会においては、人々が念頭に置いている状況に差異が確認される。そのため、個別の枠組み作りでは、各国の協働研究者とともに、インクルージョンの状況について議論を重ね、共通理解を図ってきた。 次に、子どもの「社会経済要因」と「教育のインクルージョン」に関する調査を実施し、各国における協議を基に、個別の質問紙調査を作成し、児童と保護者に回答を依頼した。調査紙には共通項目の箇所を設け、子どもの「社会経済特性」を調査する項目を含める。その後、子どもの「社会経済要因」と「教育のインクルージョン」に関する分析を試みる。この2つの関係性に関する理論化を実施する。対象とする子どもは現在のところ、インクルージョンの主な対象者である「障害児」とすることを念頭に置いていた。上記の2つの要因を「障害」と「教育形態」の軸を設けて分析を実施した。 結果的に、今後、上記の2点の調査結果を統合して「障害児の社会経済特性」と「教育のインクルージョン」に関する理論の一端が可能になると考えられる。例えば、「マラウイにおいては、視覚障害児は女児の方が男児よりも進学し易い傾向がある」という説を実証したり、「タイでは聴覚障害児はインクルーシブ教育の方が特別教育よりも不就学率を低下させる」等、障害児の社会経済状況と教育形態の関係性の一端が実証的に導出できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで予定していた現地調査も順調に実施出来ており、概ね順調に調査が進展していると思われる。ただ、研究の質をさらに上げていく必要はあり、引き続き研究協力者の協力を得て、鋭意、進めたい。特に今年度は調査結果を踏まえて、国際的な学術誌に積極的に投稿していく。複数の論文を全て現地の研究協力者と共著で執筆し、同時並行的に国際的学術誌に投稿を試みる。特に、今年度は学術界からのフィードバックを受けてフォローアップ調査を実施していく必要があると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、引き続き現地の研究協力者と随時、小まめに連絡を取るよう心掛ける。研究結果を研究協力者や国際社会に広く共有すると共に、今後の研究計画についても随時、個人ウェブサイトなどで研究倫理に配慮しながら共有する。また、国内外の学会で研究発表を継続的に実施し、研究全般について批判、助言を頂くよう心掛ける。第一次調査では地域住民へ個別インタビューを基に当事者の視点から彼らの人生全体における「教育戦略」の調査を重点的に実施する。第二次調査以降は地域住民に対するフォーカス・グループ・インタビューも併せて実施していく計画である。調査結果を踏まえて、国際的な学術誌に積極的に投稿していく。複数の論文を全て現地の研究協力者と共著で執筆し、同時並行的に国際的学術誌に投稿を試みる。特に、今年度は学術界からのフィードバックを受けてフォローアップ調査を実施していく方策である。
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Research Products
(4 results)