2019 Fiscal Year Annual Research Report
Opening a new frontier in time-domain astronomy with ultraviolet
Project/Area Number |
17H04829
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷津 陽一 東京工業大学, 理学院, 准教授 (40447545)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 紫外線 / 重力波 / 重力崩壊型超新星 / ショックブレイクアウト / 超小型衛星 |
Outline of Annual Research Achievements |
【センサ読み出し回路の開発】昨年度選定した裏面照射CMOSセンサの読み出し回路を開発した。この回路はX線突発天体観測のチームと共同開発としており、我々の用途に合わせて、フレーム読み出し機能と、取得データの高速伝送のためのSPI通信機能を付加し、正常なデータ読み出しを確認した。また、予備基板を用いた、放射線耐性試験も実施し、超小型衛星の品質要求精度であれば、このままフライトできることを確認した。本番では年のため、メインプロセッサをミリタリ規格品とする等のマイナーチェンジを行うとともに、センサヘッドを小型化する回収を行う。 【フィルタ設計】UVグレードセンサとはいえ、CMOSセンサは可視光にも感度を持つため、可視光域を1/1000以下に遮断するオプティカルブラインドフィルターを設計・製造した。光学系がF2.0と明るく、光束の入射角大きいという懸念があったが、この様な特性を加味した上で酸化ハフニウムの両面7層積層フィルターにより、250~300nm域において、最大透過率60%を超える性能を実測で達成した。
【衛星バス開発】産学連携プロジェクトとして紫外線観測に使わない昼時間を地球観測のビジネス利用に使用するというアイデアを提唱し、民間企業から無償の衛星開発協力を得た。特に、姿勢安定度要求の極めて厳しい本衛星の設計にあたっては、株式会社アイネットのシステム設計部隊による設計支援のもと、概念設計と搭載コンポーネントの選定を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
JAXAの革新的衛星技術実証3号機のビジネス実証衛星として本ミッションのフライトチャンスを獲得した。これにより2022年のフライトが確定し、計画当初予定していた世界初の紫外線広域観測の最大の障壁を乗り越えることができた。また、バス・搭載装置開発費として宇宙科学研究所の小規模計画に採択され、フライトモデルの開発が可能になった。 地上管制局についても、海外の大学、民間企業との共同研究の交渉を行い、高緯度地域からのアップリンクによる1日6回以上の衛星へのアクセスと、1日1GByte程度のテレメトリ転送をほぼ確実な状況とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年フライトが確定しているため、これに合わせて衛星本体および搭載装置の開発を粛々とすすめる。 衛星開発については、2021年打ち上げの東工大ひばり衛星をベースとしており、完全な新規開発は衛星構体とミッション装置のみとなる。フライトまでの予定を逆算すると、2021年度内に全てのハードウェア開発を完了し、2022年4月に最終インテグレーション、そのご各種環境試験を経て、同10月シッピング、年内打ち上げを目標とする。
|
Research Products
(15 results)