2020 Fiscal Year Annual Research Report
Search for a/the correct framework(s) of quantum field theories
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17H04837
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
立川 裕二 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (10639587)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 場の量子論 / 対称性 / 量子異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
場の量子論の正しい数学的枠組みを探すというこの研究テーマであるが、特に、場の量子論の対称性および量子異常をいかに数学的に記述するかという問題に注力して研究を行った。その過程で、特筆すべき二つの結果を得た。 一つは、超弦理論の量子異常についてである。超弦理論の量子異常の摂動的な部分がキャンセルしていることは40年ほど前に発見された基礎的事実であるが、大局的な部分もキャンセルしているかどうかは長らく決着がついていなかった。私は、tmf と呼ばれる数学の代数トポロジーにおける概念を援用することによって解決しうることを認識し、該当分野を専門とする数学者の協力を仰ぎ、実際に解決することが出来た。この結果は一部は出版済み、最終的な結果もプレプリントを発表し、現在査読中である。 もう一つは、対称性の概念を拡張することである。通常対称性の作用は可逆である、すなわち、取り消すことができると仮定する。例えば、右への30度回転は左への30度回転で元に戻せる。ここ数年、場の量子論においては可逆でないような対称性を考えることもできることがわかってきている。それらを記述する数学的枠組み自体は長らく知られていたが、それを実現する具体的な場の量子論のモデルは未知であった。特に Haagerup 対称性と呼ばれるものを実現することはこの分野では大きな問題であったが、数値計算によってそのようなモデルで特に臨界的なものを見出すことが出来た。これは査読を通過し、現在印刷中である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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