2019 Fiscal Year Annual Research Report
非線形光学プローブによる室温人工マルチフェロイック物質の開拓と新機能創出
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17H04844
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松原 正和 東北大学, 理学研究科, 准教授 (50450648)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マルチフェロイック物質 / メタマテリアル / 非線形光学効果 / 光第二高調波発生 / 光ガルバノ効果 / スピン流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光の波長以下の大きさのナノ空間を人工的に設計・制御することで、多機能性と室温動作を兼ね備える革新的な人工マルチフェロイック物質の開発を行うことを目的とする。用いた物質は主に、垂直磁気異方性を持つ強磁性体多層膜と、軟強磁性体である。電子線描画装置などを利用し、数百ナノメートル程度の人工構造を導入し、「空間反転対称性の破れ」と「時間反転対称性の破れ」を同時に満たす室温人工マルチフェロイック物質を作製した。試料の基本的な構造評価や磁気特性は、原子間力顕微鏡やFaraday効果などを用いて行い、設計通りのナノ構造や磁気特性を兼ね備えていることを確認した。本年度は、サイズや形状、対称性の異なる数種類の人工マルチフェロイック薄膜を作製し、それを用いて(磁気)光ガルバノ効果や光第二高調波発生の測定を行った。 フェムト秒レーザー(波長:690-1040nm、パルス幅:100fs、繰り返し周波数:80MHz)により人工マルチフェロイック物質を励起し、波長依存性・磁場依存性・偏光依存性などを詳細に調べたところ、 ・外場を印加することなくゼロバイアスで光電流(スピン偏極電流)が流れ、その方向や大きさを光の偏光により制御することができる ・スピンの渦が太陽電池機能を有している ・光ガルバノ効果や光第二高調波発生の大きさが人工構造のサイズに大きく依存する ことなどが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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