2019 Fiscal Year Annual Research Report
高度な磁性体デザインによって実現する新奇量子状態の解明と制御
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17H04850
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山口 博則 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70581023)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 量子スピン系 |
Outline of Annual Research Achievements |
フェルダジルラジカルをカチオン化して、アニオンと組み合わせることにより、フェルダジル系塩の合成に試みた。カチオン化のパターンとアニオンの種類をスピンモデル設計に効果的に取り込むことで、これまでに報告例のなかった様々な量子スピン系を実現した。 さらに、フェルダジルラジカルを磁性アニオンと組み合わせた電荷移動塩の合成にも成功した。磁性アニオンFeCl4との塩では、フェルダジルラジカルのスピン1/2とアニオンのスピン5/2を交互に配列させることで、スピン-(1/2, 5/2)交替鎖を実現することができた。パルス強磁場を用いた磁化曲線の測定によって、量子状態のトポロジカルな議論から予想されていたLieb-Mattisプラトー(エネルギーギャップ)を初めて観測することに成功した。さらに、量子モンテカルロ法による数値計算との比較によって定量的に実証することもできた。極低温比熱においては、Lieb-Mattisフェリ磁性状態で予想される低エネルギー磁気励起の存在を示唆する温度依存性が観測された。磁化率においても、スピン交替鎖特有の温度依存性が観測された。電子スピン共鳴では、共鳴モード解析によって、鎖間相互作用の大きさを見積もりことができた。プラトー領域での共鳴シグナルはスピン-(1/2, 5/2)交替鎖の形成を支持する振る舞いを示した。さらに、分子設計によって、磁気相関の大きさを僅かに変調したスピン-(1/2, 5/2)交替鎖をつくることにも成功した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)