2017 Fiscal Year Annual Research Report
振動エネルギー活用によるラジカル生成エネルギー高効率化とその機構解明
Project/Area Number |
17H04864
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
寺本 慶之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (00635328)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | プラズマ / レーザー計測 / ストリーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
放電時間間隔・パルス幅可変長電源の作製を行った。ラジカル生成には任意の放電時間間隔で任意の回数パルス放電を発生させる必要があるため、放電間の最短時間間隔は0.5 us とし、最大連続回数は4 回とする電源をMOS-FET を使用し作製した。パルス時間幅は10 ns から500 nsで任意に変更可能とした。 振動エネルギーの影響を見るため次発のストリーマ領域が前発のストリーマ領域をカバーする ような放電形態が必須となる。領域カバー率下限は85%とし、さらに2次元計測で取得したデ ータのアーベル変換から、ストリーマ径方向の詳細な密度分布を得るために、ストリーマを可 能な限り直線的に電極間(針-平板)を進展させることが可能な観測用リアクタを作製した。電極に周囲から均一に電界がかかるよう電極を配置することでストリーマを直線状に進展させることが可能となり、電極間のラジカル密度分布計測(可視化)が可能となった。 高感度・高分解能2D-TALIF 計測システムの構築を行った。本研究ではレーザーパルス半値幅の5 ns を蛍光計測用ICCD カメラのゲート時間とし、蛍光のピークのみを計測することで従来よりも高いS/N 比を実現した。レーザー照射とICCD カメラシャッタータイミングにはジッターが存在するため、各々の出力信号から計測タイミングの合否を判定するシステムを構築し、上記の高S/N 比の信号のみを取得することが可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに実験装置の作製が行えたため順調に進展していると言える。 これにより予定通りえ2年目の実験計画に取り掛かる準備が整った。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に作製した計測システムを用い、連続パルス放電中におけるラジカル生成量の計測を行うことで振動エネルギーがラジカル生成に与える影響を調査する。最初に2 連続パルス放電を使用し、パルス放電時間間隔変化時(振動エネルギー変化時)における2 発目のラジカル生成量を見積もり、1 発目のラジカル生成効率と比較することで予測通り振動エネルギーがラジカル生成に再利用されているかを検証する。またこの時のストリーマ径方向におけるラジカル密度分布を比較ることで高振動温度状態中ストリーマのラジカル生成機構の解明を行う。
|