2018 Fiscal Year Annual Research Report
振動エネルギー活用によるラジカル生成エネルギー高効率化とその機構解明
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17H04864
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
寺本 慶之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (00635328)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ラジカル / 窒素原子 / パルス / 大気圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に作製した二次元二光子吸収レーザー誘起蛍光法システムを用い、連続パルス放電中におけるラジカル生成量の計測を行うことで振動エネルギーがラジカル生成に与える影響を調査した。最初に2 連続パルス放電における二発目の放電の観測を行った。二発目の放電ではパルス時間間隔が短いほど放電エネルギーが低下した。さらに二発目の放電のストリーマは時間間隔が短いほど進展距離が短くブランチも少なくなった。 次にパルス放電時間間隔変化時(振動エネルギー変化時)における2発目の窒素原子生成量を見積もり、1 発目のラジカル生成効率と比較することで予測通り振動エネルギーがラジカル生成に再利用されているかを検証した。この結果、電極近傍では約最大で3倍のエネルギー効率で窒素原子を生成できることが分かった。一方パルス放電時間間隔が長くなるにつれてその効率は低下していき、やがて1発目の生成エネルギー効率と同等となった。 一発目と二発目の放電後の窒素原子減衰を計測することで、その減衰速度からストリーマ中における窒素原子の局所密度を見積もった。その結果一発目と二発目ではほぼ同等の局所密度であることがかわった。これは二発目の放電では一発目の放電の窒素原子生成領域と異なる領域で生成されていることを示している。 またこの時のストリーマ径方向におけるラジカル密度分布を比較ることで高振動温度状態中ストリーマのラジカル生成機構の解明を試みた。この結果2発目の放電では主にストリーマ外周で窒素原子が生成されていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当所の予測通り振動励起分子をラジカル生成に利用することでラジカル生成効率を向上させることに成功したため、概ね研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに3 連続及び4 連続パルス放電における、ラジカル生成量及び密度分布変化を観測することでラジカル生成効率の飽和及びガス温度が生成効率に与える影響を調査する。
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