2020 Fiscal Year Annual Research Report
非貴金属アミノカルコゲノラト錯体の水素ラジカル反応場におけるMeOH光脱水素化
Project/Area Number |
17H04871
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 剛 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任准教授 (40564109)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 金属錯体 / 光化学反応 / 水素ラジカル / 二酸化炭素 / 芳香族アミン配位子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非貴金属イオンと電子移動活性配位子(芳香族アミン、等)からなる非貴金属錯体を用いて、「室温で駆動するMeOH脱水素化触媒反応系」の構築と、そこから派生すると期待される「種々の小分子の変換触媒反応系」を構築することを目的に検討を行なった。本系の目的を達成するための鍵は、酸化還元活性な非貴金属錯体において、配位子部位が潜在的に有すると期待される新しい反応性を見出すと当時に、反応に伴う錯体の電子的および分光学的性質の変化を理解する点にある。 2020年度は、本光化学反応の根幹である励起状態水素脱離(ESHD)に関する詳細を明らかにする目的で、N-HおよびC-Hを選択的に重水素化したo-フェニレンジアミン、およびラジカル捕捉剤であるアルキルチオールを用いて、o-フェニレンジアミン鉄錯体の光化学反応を行なった。その結果、本系にてESHDを介した光化学的な水素発生反応が進行すると共に、本系の発生水素のプロトン源が、C-HではなくN-Hであることを明らかにした。 また、以前に申請者らは、MeOH同様に重要なC1型の炭素資源として近年特に注目されるCO2を用いて、芳香族アミンの芳香族C-Hを光化学的にカルボキシル化することが可能である結果を見出している。 その点を踏まえ、2020年度は、種々の芳香族アミンを用いた光化学反応を検討し、置換基種、置換基数、および置換位置効果に関して検討を行なった。検討を行なった結果、アミノ基のみならず水酸基やチオール基を有する芳香族化合物(フェノール類およびメルカプトフェノール類)においても、光化学的なE-H(E=N, O, S, etc.)の活性化を経たフェノキシラジカルおよびチイルラジカル種の形成が進行することが確認された。さらに興味深いことに、二置換型の芳香族アミンの場合のみにおいて、対応するアミノ安息香酸形成が進行することが確認された。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|