2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Lifetime-controllable light emitting materials based on multicomponent molecular assembly
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17H04875
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野 利和 九州大学, 工学研究院, 助教 (20643513)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自己組織化 / 蛍光発光 / 燐光発光 / 有機固溶体 / 結晶工学 / 外部重原子効果 / 光学酸素センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
多成分系分子の自己組織化を利用した発光色および発光寿命を自在に制御できる有機固体発光材料の創製を目的として研究をすすめている。 これまでにナフタレンジイミドを基本とした超分子ホストに重原子(Br,Iなど)を含む芳香族ゲストから構成される包接結晶の利用により、室温・大気下でマイクロ秒からミリ秒の発光寿命を示す固体発光材料のライブラリの構築を行ってきた。 今年度は、大気中の酸素によってあえて消光される発光材料を用いることにより、外部酸素濃度をモニタリング可能な光学酸素センサーへの応用を実施した。具体的には、窒素ガスと酸素ガスの混合ガスをサンプル中に吹き付けつつ発光スペクトルおよび発光寿命測定を測定可能なシステムを構築した。検討の結果、酸素下と窒素下での発光強度比が100倍を越え、更に発光寿命が数十マイクロ秒から数十ミリ秒まで大きく変化する固体発光材料を見つけることができた。Stern-Volmer plotにより外部酸素濃度が消光因子であり、ppmオーダーから%オーダーまでの酸素濃度を検知可能な発光酸素センサーとしての応用が可能になることが見出された。また蛍光発光と燐光発光を示すデュアル発光材料を用いることにより、レシオ型センサーとして機能することも見出された。外部酸素に対する発光の応答性は極めて迅速であり、例えば窒素ガスを吹き付ける様子を発光挙動変化として確認することができた。またこのような燐光発光材料の発光メカニズムを検討することを目的として、外部重原子効果を取り込んた分子軌道計算にも取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目的としていた秒を超える発光寿命材料は現時点で達成できていないが、種々の実験検討の結果、外部酸素濃度に応じて発光挙動変化を示す光学酸素センサーを見出すことができた。具体的には、酸素下と窒素下での発光強度比が100倍を越え、更に発光寿命が数十マイクロ秒から数十ミリ秒まで大きく変化する固体発光材料である。今後、さらなる自己組織化材料の構築を進めるとともに、窒素下や真空下での発光測定を行うことで、発光色及び発光寿命可変材料の創製を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
計算化学を駆使することにより、励起3重項状態のエネルギーを予め予測することにより、所望とする発光色を示す燐光発光材料の創製を達成したい。現時点では、水色、緑色、黄色、赤色の発光色が達成できているため、青色および近赤外色の発光材料へ展開したい。また新たに光学酸素センサーの開発に関して予備的な知見を見出すことができたため、この系に関しても発光色のフルカラー化を達成したい。
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Research Products
(25 results)