2021 Fiscal Year Annual Research Report
第一周期遷移金属の高度利用のための触媒設計と高難度分子変換反応の開発
Project/Area Number |
17H04877
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩井 智弘 東京大学, 大学院総合文化研究科, 講師 (30610729)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ビピリジン / 拡張π共役系 / 可視光レドックス触媒 / メタラフォトレドックス触媒 / シクロデキストリン / 連結型ロタキサン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、可視光レドックス触媒やメタラフォトレドックス触媒の配位子として広く利用されている2,2’-ビピリジンの高機能化を目指して研究を実施した。
平面キレート配位を特徴とする2,2’-ビピリジンのπ共役系の拡張は、吸収・発光波長の長波長化などの光物性制御に有効である。しかし、拡張π共役ユニットは、π-π相互作用によって凝集しやすく、触媒利用においては金属凝集などの不活性化が懸念される。研究代表者の所属グループでは以前から、環状分子であるメチル化シクロデキストリン内部をトラン分子が貫通した連結型ロタキサン構造を利用して、分子間相互作用の抑制に基づく共役分子の高機能化に取り組んでいる。そこで、π共役系を拡張した2,2’-ビピリジン-金属錯体の機能を最大限に引き出すべく、連結型ロタキサン構造を有する被覆π共役ビピリジンを新たに設計・合成した。まず、被覆π共役ビピリジン配位子の光機能を調べるため、りん光材料や可視光レドックス触媒として多用されるビスシクロメタル化イリジウム錯体を合成した。この被覆型ビスシクロメタル化イリジウム錯体は、単純な2,2’-ビピリジンを有するイリジウム錯体と比べ、吸収・発光スペクトルのレッドシフトが見られた。さらに、この被覆型錯体は、対応する非被覆型錯体と比べて、固体状態で高い発光量子収率を示した。これは連結型ロタキサン構造による効果的なπ-π相互作用の抑制を示すものである。次に、被覆π共役ビピリジン配位子の触媒利用を進めるべく種々検討したところ、ある種のメタラフォトレドックス触媒を加速し、顕著な配位子効果を示すことを見出した。
また、第一周期遷移金属ではないものの、パラジウム触媒Migita-Kosugi-Stilleカップリングが、空気中で紫外光照射すると加速されることを見出し、その成果は国際学術論文誌 Chemistry Letters に掲載された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)