2020 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化によりトポロジー効果を増幅する新規環状高分子の探索と系統的機能材料開発
Project/Area Number |
17H04878
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 拓矢 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30525986)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 環状高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、DDSキャリアに代表される様々なナノ粒子系医薬品の研究が進展しているが、それらの多くは粒子表面を生体適合性のPEGにより修飾すること(PEGylation)を基盤としている。その中で、金属ナノ粒子のPEGylationについては、チオ-ルとの化学吸着を利用したものにほぼ限定されている。これに対して、申請者は構造欠陥のない環状PEGの物理吸着により修飾した金ナノ粒子が非常に高い分散安定性を示すことを見出した。すなわち、直径約15ナノメートルのAuNPsの水分散液に対し、直鎖状HO-PEG-OH、直鎖状MeO-PEG-OMe、直鎖状HS-PEG-OMe、または環状PEG(直径約7ナノメートル)を加え、冷凍、85 °Cに加熱、または凍結乾燥後に再分散、および生理条件下で分散安定性を調査した。その結果、HO-PEG-OHやMeO-PEG-OMeでは無修飾の金ナノ粒子とほとんど変わらず不可逆的に沈殿したのに対し、環状PEGを加えた金ナノ粒子は、これらの過酷な条件下でも分散安定性を保持していた。さらに興味深いことに、チオールとの化学反応を基盤とする、金属ナノ粒子の代表的なPEG化剤であるHS-PEG-OMeを用いた場合でも、上述の加熱条件には耐えられずほとんど再分散しなかった。つまり、環状PEGは従来のHS-PEG-OMeよりも優れた分散安定剤であることが示された。さらに、サイズ・ゼータ電位測定や動物実験からもその有効性を明らかにした。このように環状トポロジーを利用した金ナノ粒子の新奇PEGylation法の確立に成功した。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(17 results)