2017 Fiscal Year Annual Research Report
Control of catalytic property through interactions between metals and metal-organic frameworks
Project/Area Number |
17H04890
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
貞清 正彰 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 助教 (40635885)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 配位高分子 / 触媒 / 有機-無機複合 / 金属ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、本研究で使用する金属ナノ粒子担持配位高分子(M/MOF)を作製し、その構造、電子状態について明らかにすることを目標とした。具体的には、Ptを金属種として選択し、アークプラズマ蒸着法を用いて同一粒径・同一担持量のPtを担持したHKUST-1, Zn-MOF-74, Mg-MOF-74, UiO-66-NH2等の金属-配位高分子複合触媒を作製した。界面相互作用について考察するため、X線光電子分光、CO化学吸着およびH2化学吸着による表面分析を行ったところ、活性なPt表面積はどの試料も同じであるが、その電子状態が大きく異なり、金属ナノ粒子と配位高分子間で電子的相互作用が起きていることが分かった。また、Ptの電子状態に敏感なCO酸化触媒反応試験を行ったところ、各試料で大きく触媒活性が異なることがわかり、配位高分子金属ナノ粒子との界面相互作用により触媒活性が制御されていることがわかった。また、その原因について考察するため、第一原理計算により担体である各配位高分子の仕事関数を求めた結果、電子供与的な担体ほどPtへ電荷を供与していることがわかり、担体の電子状態がPtの触媒活性の制御に寄与していることを明らかとした。これは気相の不均一触媒における配位高分子の担体効果を系統的に明らかにした初めての例であり、これらの結果をまとめた論文を作成し、海外一流学術誌であるChemical Communicationsに採択された。また、電子状態の異なるPtナノ粒子に関して、電気化学的触媒反応における触媒活性の担体依存性についても一定の知見を得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、本研究で使用する金属ナノ粒子担持配位高分子(M/MOF)を作製し、その構造、電子状態について明らかにすることを目標としていたが、同一粒径・同一担持量のPtを担持した複数の触媒の作製に成功した事に加え、それらのCO酸化触媒活性についても明らかにし、系統的な知見を得ることに成功した。また、第一原理計算により配位高分子担体の電子状態と担持されたPtナノ粒子との電子状態の相関を初めて明らかにすることに成功し、それらの結果をまとめて論文として海外一流誌に投稿・採択・公開することにもすでに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、作製したM/MOF触媒の触媒活性評価を行うことを目標とする。本研究では金属としてPtを用い、CO酸化触媒活性および酢酸を原料とするエタノール合成反応の二つの触媒反応を対象として想定していたが、CO酸化反応についてはすでに明らかにすることに成功したため、エタノール合成反応について明らかにすることを目指す。担体として用いる酢酸耐性を有するMOFの選定および、それらの酢酸吸着特性に関する評価は概ね完了している。本支援により評価装置を構築し、その触媒活性について明らかにする。
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