2017 Fiscal Year Annual Research Report
Direct measurement of pressure and shear stress distribution on the contact area of a droplet impacting a solid surface
Project/Area Number |
17H04903
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
グエン タン・ヴィン 東京大学, IRT研究機構, 特任研究員 (20773427)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 液滴衝突 / MEMS力センサ / 力分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,液滴が固体表面に衝突する際の力学モデルを構築することである.微小なMEMS 2軸力センサアレイを用いて接触面での力計測を初めて実現する. 29年度の研究計画は液滴衝突を計測対象とする2軸力センサアレイ構造の設計を有限要素法に基づくシミュレーションを用いて行う.次に,決定した設計についてセンサアレイを製作し,センサの較正及び周波数応答の評価を行う.最初に数十μmサイズの2軸力センサの構造の探索を行った.センサは2つピエゾ抵抗が形成された薄いシリコン構造とその中央に形成されたマイクロピラーを構成するものである.マイクロピラーに働く垂直方向とせん断方向の力は2つピエゾ抵抗の変化率から求められる.センサの原理をシミュレーションソフトウェア(COMSOL Multiphysics)を用いて検証した.シミュレーション結果から,マイクロピラーに働く垂直方向とせん断方向の力はそれぞれ2つのピエゾ抵抗の歪みの和と差に比例することを確認した.また,シリコン構造の厚みが0.3 μmのとき,センサ構造の1次モードの共振周波数は50 kHz程度となるため,センサは直径が数mmの液滴が数m/sまでの速度で固体表面に衝突するときの力の変化を計測できると考えられる.また,シリコン構造を厚くすることでセンサの共振周波数を上げられることを検証した.例えば厚みが1μmのセンサの共振周波数は200 kHz程度となった. 次に,決めたデザインに基づいて厚みが0.3 μmのセンサを試作した.試作したセンサのキャリブレーション結果からセンサは数nN程度の力を計測できることを確認した.また,センサ周波数特性を評価した.計測結果から,試作したセンサの1次モード共振周波数は30 kHz程度であったことがわかった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
29年度は液滴と固体表面との衝突を計測するため,微小2軸力センサのデザイン探索,数値シミュレーションでセンサ特性の解析,センサ製作と評価を行った.当初の目標の通りに進んでいる.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,計測したセンサの感度と共振周波数をシミュレーション結果と比較し,目標の感度と共振周波数になるようにセンサ構造を修正する.また,液滴衝突の実験セットアップを構築し、液滴衝突において接触面の力分布の計測を開始する.
|