2018 Fiscal Year Annual Research Report
Direct measurement of pressure and shear stress distribution on the contact area of a droplet impacting a solid surface
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17H04903
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
グエン タン・ヴィン 東京大学, IRT研究機構, 特任研究員 (20773427)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 液滴衝突 / MEMS / 力センサ / 圧力分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は液滴が固体表面に衝突する際に液滴と固体表面との接触面に働く力分布を直接に計測することで,液滴と固体表面との衝突に関する力学モデルを構築することである.固体表面に形成された微小なMEMS 2軸力センサアレイを用いて接触面での力計測を初めて実現する.また,衝突速度・角度,固体表面の濡れ性,液体の表面張力・粘度を変えて計測を行うことで,接触面の力分布と液滴の挙動との関係を明らかにする. 平成30年度の研究計画は実験セットアップの構築及び衝突時に接触面の圧力の分布の計測を行うことで,衝突速度と圧力の最大値との関係を明らかにする.最初に実験のセットアップの構築を行った.小型シリンジポンプを縦方向のステージに取り付けて,シリンジポンプの高位を自由に変えられるようにした.そのため,シリンジから落下する液滴がステージの土台に置かれたセンサアレイとの衝突速度を調整できるようになった.また,液滴とセンサアレイとの衝突の観察を2台の高速度カメラを用いてできるようにした.2台のカメラを利用することで,液滴がセンサ基板に衝突する際にセンサアレイが液滴の接触面の直径の位置にあるかどうかを確認できる.力の計測について,15個のセンサの抵抗変化率を同時に計測できる多チャンネルアンプを試作した.試作したアンプはDCから100 kHzまでの周波数範囲においてゲイン60dBになっている.次に,構築した実験セットアップを用いて計測を行った.液滴とセンサ基板との衝突速度を0.2 m/sから2 m/sまでの範囲に調整し液滴の接触面における圧力分布の計測を行い,圧力の最大値と衝突速度との関係を検証した.液滴と固体表面との衝突において接触面に発生する圧力の最大値は衝突速度の二乗に比例することがわかった.この関係は動圧と一致するが,衝突による最大圧力は動圧よりも十倍程度大きかったことがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
30年度は衝突実験セットアップの構築及び衝突速度と圧力の最大値との関係を明らかにできたので,当初の計画の通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は温度・光の影響を受けないセンサデザインを実現し,センサ試作とともに実験を続ける.計測パラメータとして,衝突角度,液滴のサイズ,液滴の粘性等が接触面の力の分布に及ぼす影響を定量的に明らかにする.
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