2019 Fiscal Year Annual Research Report
Simultaneous measurement of visible and far infrared light with optical modulating MEMS
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17H04912
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高畑 智之 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任准教授 (80529652)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度に設計した変調器駆動部と検出器を試作するために製作方法を検討した。駆動部とフィルタ部を別々に製作し樹脂等で貼り合わせる構造とする方針で検討を進めた。 また、同一視点から同一視野角で物体の色画像と温度画像の両方を撮像できるコンパクトな同軸撮像システムについて、光学系の同軸性を検証する方法についての研究を実施した。対象とした撮像システムは同心円状のシリコンガラスハイブリッドレンズを用いたもので、これにより可視光と赤外光を空間的に同じ面に結像することができる。このレンズの後で波長分離ミラーにより分離し、それぞれを同じサイズの可視イメージャと赤外イメージャで撮影することで、両方の画像の視野角を合わせた。光学系の同軸性として、2つのイメージャの内部パラメータおよび外部パラメータが同じであることと、撮像システムから一定の距離にある被写体の色・温度画像ペアを利用して色・温度画像のマッピングを推定できることを示した。この同軸性の評価方法は、他のタイプの可視・赤外同軸撮像システムにも適用できるものである。この成果を論文誌で発表した。 2019年度の実施内容として、当初の計画では、検出器の試作と検証実験および帯域除去フィルタの透過率向上の検討を行う予定であった。しかし、検出器の試作方法の検討に時間がかかり、2020年度に繰り越した結果、検出器の試作ができない状況になったため、上述のように理論的検討中心の内容に変更した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変調器駆動部と検出器の試作方法の検討が難航し、さらに2020年度の社会情勢の変化により試作することができなかった。一方で、可視・赤外同軸撮像システムの同軸性の評価方法についての検討を実施し、論文としてまとめることができた。この成果は本研究の最終目標である「空間的・時間的に同じポイントで可視光と遠赤外光を同時計測できることを示す」ことに資するものである。以上を総じて、順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
可視光・遠赤外光のための検出器と帯域除去フィルタについて、理論的な検討をさらにすすめる。また、アレイ化した変調器と検出器の設計と試作方法の検討を行い、可視・遠赤外の両方を同時に撮影できるイメージャの構成法を示す。このイメージャと結像光学系を組み合わせた可視・遠赤外撮像システムの実装方法と、アプリケーションを検討することで、各要素をまとめて空間的・時間的に同じポイントで可視光と遠赤外光を同時計測できることを示す。
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