2017 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a high-efficiency performance evaluation system for existing bridges by the uncertainty quantification of model parameters using structural sensing data
Project/Area Number |
17H04934
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
西尾 真由子 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (00586795)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | データ同化 / 性能評価 / ベイズ推定 / 構造信頼性 / スパースモデリング / 構造モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,センシングを活用して構造状態の不確定性をモデルパラメータのベイズ事後分布で表す構造解析モデル構築を確立し,それを橋梁性能評価に用いる有効性を示すことを目的としている. 2017年度ではまず,桁端部での腐食損傷が問題となっている鋼桁鈑桁橋を対象として,評価性能に応じた有限要素モデルパラメータ事後分布推定のための最適観測計画の検討を実施した.腐食による部材断面欠損や可動部材の固着が,活荷重性能(交通荷重への性能)の照査に用いる応力や変位に与える影響を調べた上で,不確定モデルパラメータの計測値や照査応答への感度を分散分析によって整理し,桁端部近傍でのひずみ分布を正規化して用いることが,適切な事後分布推定に有効であることを示した. また,複数の実橋梁で無線加速度センサを用いた活荷重応答(車両通過による応答)および地震時応答のモニタリングを実施した.特に,活荷重応答計測で取得した振動データから,橋梁への入力として性能評価にも管理運用にも用いられる総交通量・大型車交通量の推定を可能とした.地震応ニタリングは,インターネットからデータをダウンロードできるシステムを構築し,現在でも継続中である. さらに,モンテカルロ構造信頼性計算の高効率化のため,近年,機械学習分野で注目されるスパースモデリングによる代替モデル構築を提案し,上述の腐食損傷を有する鋼橋の構造信頼性計算への有効性を示した. 以上の成果は,学術誌論文および国際会議発表や国内学会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度ではまず,桁端部での腐食損傷が問題となっている鋼桁鈑桁橋を対象として,評価性能に応じた有限要素モデルパラメータ事後分布推定のための最適観測計画の検討を実施した.腐食による部材断面欠損や可動部材の固着が,活荷重性能(交通荷重への性能)の照査に用いる応力や変位に与える影響を調べた上で,不確定モデルパラメータの計測値や照査応答への感度を分散分析によって整理し,桁端部近傍でのひずみ分布を正規化して用いることが,適切な事後分布推定に有効であることを示した. また,複数の実橋梁で無線加速度センサを用いた活荷重応答(車両通過による応答)および地震時応答のモニタリングを実施した.特に,活荷重応答計測で取得した振動データから,橋梁への入力として性能評価にも管理運用にも用いられる総交通量・大型車交通量の推定を可能とした.地震応ニタリングは,インターネットからデータをダウンロードできるシステムを構築し,現在でも継続中である. さらに,モンテカルロ構造信頼性計算の高効率化のため,近年,機械学習分野で注目されるスパースモデリングによる代替モデル構築を提案し,上述の腐食損傷を有する鋼橋の構造信頼性計算への有効性を示した.
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Strategy for Future Research Activity |
桁端部腐食を有する鋼橋の有限要素モデルパラメータ事後分布推定にひずみ分布計測が有効であった結果をうけて,画像ひずみ計測データを用いた事後分布推定の構築に取り組むこととしている.桁模型供試体を用いた実験,および実橋梁での検証を実施する予定としており,従来のひずみゲージなど接触型のセンサではなく,簡便な非接触計測法にて,既存構造物の性能評価を可能とすることを目指す. また,実橋梁における地震モニタリングを継続しており,取得される地震時の振動データを用いて橋梁の非線形時刻歴応答解析のモデルパラメータ事後分布推定を可能として,既存構造状態を考慮した地震リスク評価に展開する.ここでは,免震橋脚を対象とした解析的な基礎検討を実施するとともに,モニタリングを実施している複数の実橋梁に対して,複数の損傷シナリオが考えられる中での事後分布を用いたフラジリティ解析を実施する.さらに,各橋梁地点の地盤種別やハザードを合わせたリスク解析へと検証を進める.既存橋梁の構造状態を考慮したリスク解析の重要性,そして無線センサ技術による地震モニタリングの貢献を示す. さらに,高効率構造信頼性計算のためのスパース代替モデル構築の検証も,地震応答解析に対して拡張する.ここでは回帰モデルの構築に応答の非線形性を考慮しなければならない点で,学術的に有意義な検証を目指す.
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Research Products
(8 results)