2019 Fiscal Year Annual Research Report
Exploiting sensitive aptasensor technologies for rapid on-site detection of infectious norovirus in the environment
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17H04939
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北島 正章 北海道大学, 工学研究院, 助教 (30777967)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アプタセンサー / ノロウイルス / 電気化学 / アプタマー / 下水 / 感染性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究での検出対象であるノロウイルスのモデルとしてマウスノロウイルスおよびノロウイルス様粒子(virus like particles, VLP)を用いてアプタセンサー技術の研究開発を進めた。具体的な実験手順を以下に記す。電極デバイスとしてはスクリーンプリント金電極(作用電極=金、対極=白金、参照電極=銀/塩化銀)を使用し、チオール修飾したノロウイルス親和性アプタマーを作用電極上に滴下して4℃で一晩反応させることにより金-チオール結合を形成させアプタマーを金電極上に固定化した。作用電極への非特異的吸着を防ぐため、1 μM メチルシクロヘキサンを滴下して4℃で5分間反応させ電極のブロッキング処理を行った。電気化学アナライザー(CH Instrument)を用いて矩形波ボルタンメトリー(SWV)による電気化学測定を実施した。反応溶液には、酸化還元体として4 mM K3[Fe(CN)6]を含む25 mM リン酸緩衝溶液を使用した。SWV測定は、ステップ電位を4 mV、振幅を5 mV、振動数を10 Hzとして、測定電位の範囲は-0.3 Vから0.3 Vとした。ヒトノロウイルスVLP (GII.4 2006b)を0 nM~25 μMの範囲で段階希釈した試料をSWVにより測定した。その結果、VLP濃度に応じてピーク電流値が減少し、VLP濃度とピーク電流値の間には良好な相関関係が認められた。これは、金電極表面へのVLP吸着量が多いほど酸化還元体の拡散を抑制し電流値が下がり、そしてその電流値の低下がVLP濃度に依存するためであると考えられる。マウスノロウイルスを用いてSWVによる検出実験を行った場合にも同様の結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
環境試料中の感染性ノロウイルス検出のための電気化学センサーの各種反応条件を検討し、実下水試料に適用するなど、おおむね当初の研究計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、本センサーシステムの特異性や検出感度の向上に関する検討を進める予定である。また、下水試料中のノロウイルスの連続測定を可能とするためアプタマー修飾電極を搭載したマイクロ流路デバイスを設計する。
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Research Products
(2 results)