2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of regrowth mechanism of opportunistic pathogens in drinking water and verification of their control strategies
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17H04940
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
春日 郁朗 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (20431794)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 微生物再増殖 / 水道水 / 宅内給水 / 生分解性有機物 |
Outline of Annual Research Achievements |
宅内給水システムにおける水道水の滞留において、プラスチック管から溶出する溶存有機物が微生物再増殖に及ぼす影響について詳細な解析を実施した。実際に滞留前後の水道水中の溶存有機物濃度を測定すると、給水末端によっては滞留後に溶存有機物濃度がわずかに増加している場合も観察され、こうした付加的な溶存有機物が微生物再増殖に関連していることが推察された。水道水を新しい架橋ポリエチレン製の給水管に封入して培養した場合、再増殖する微生物は、水道水をガラス瓶中で培養した際に増殖する微生物と種類も量も異なっていた。このことから、水道水中に残留する生分解性有機物とは異なる成分がプラスチック管から溶出し、再増殖する微生物に影響を与えていることが推察された。次に、架橋ポリエチレン製の給水管、高密度ポリエチレン製の給水管、塩化ビニル製の給水管をピース状に裁断し、超純水に浸漬して溶出される溶存有機物を解析した。溶存有機炭素濃度の上昇は、架橋ポリエチレン製の給水管が最も高かったが、微生物を植種して増殖を評価するとすべての系において、微生物再増殖が観察された。このことから、プラスチック管から溶出する溶存有機物が微生物再増殖を促進する因子の一つになっていることが確認された。また、プラスチック製の給水管から溶出する溶存有機物濃度は水温が高いほど高くなることも確認された。HPLCを接続した高分解能質量分析計を用いて、溶出した溶存有機物の組成を解析すると、プラスチックの材質によってそれらの組成は異なること、また、それらの組成は水道水中の溶存有機物の組成が異なることが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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