2017 Fiscal Year Annual Research Report
同調回転慣性質量トランスデューサーの開発とその検証実験
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17H04942
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浅井 健彦 筑波大学, システム情報系, 助教 (90775793)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トランスデューサー / 同調回転慣性質量機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らが提案している構造物の振動エネルギーを電気エネルギーへと効率的に変換することで振動制御を実現する新たな制振装置である同調回転慣性質量トランスデューサーの地震動を受ける建築構造物における有効性を検証するため、三層のベンチマーク建築物モデルやアウトリガー構造をもつ超高層建築物モデルを用いて数値解析シミュレーションを実施し、振動制御性能と発電効率を計算し、良好な結果を得た。 また同時に、提案する装置の縮小型のプロトタイプを設計、作成した。ここでは発電用にエネルギー変換効率の高い三相モーターを用いて、抵抗をスター結線によりモーターに接続し、この抵抗値により装置が発揮する減衰を調節出来るようにした。また、簡単のため、この抵抗により消費される電力を発電量と定義した。さまざまな周波数をもった正弦波を入力した加振実験を行った。そして、実験により、提案する装置がある特定の周波数をもった外乱に対してエネルギー吸収効率を大きく向上させる事が可能なことを実証した。さらに、得られたデータから最小二乗法を用いたカーブフィッティング手法により、実験データを非常に高い精度で再現出来る、摩擦力等によるエネルギー損失を考慮したより信頼性の高い数理モデルを導出した。 現在は一部をコンピューター上で数値解析シミュレーションを行うことで、非常に簡単に提案する装置の地震動を受ける構造物における有効性を実証することが可能となるリアルタイムハイブリッドシミュレーション実験を実施出来る環境の構築を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的には当初の予定通り研究を遂行出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた知見をもとにして、改良型の試験体を作成し、より高いエネルギー変換効率を実現させる。また、リアルタイムハイブリッドシミュレーション実験や振動台実験により、地震動を受けた建築物における提案する装置の有効性を実験にしょり実証する。
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Research Products
(4 results)