2018 Fiscal Year Annual Research Report
特異な「直交性骨配向化現象」の解明と骨配向化を自在に制御可能な新規生体材料の創製
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17H04955
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松垣 あいら 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10592529)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨配向性 / 骨芽細胞 / アパタイト / 細胞配列 / 直交配向 / 接着斑 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、材料工学に細胞生物学を導入することで、「骨配向性」が骨芽細胞配列度合いに応じて決定されることを初めて見出した。本研究課題では、材料工学をベースにして初めて見出された、材料表面形状に応じて発現する「直交性骨配向化」機構解明とその原理に基づく生体材料創製に取り組んでいる。具体的には、以下の項目について研究を実施した。
(A)直交性骨配向化機構解明 前年度までに明らかとなった、材料表面形状(ナノメートルオーダー~マイクロメートルオーダー)に依存した平行性/直交性の骨基質形成について、マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析に基づき、材料表面の粗さや形状に応じた細胞骨格・接着斑関連遺伝子の発現変化が見いだされるとともに、骨基質配向化方向決定に関与する候補遺伝子の同定に成功した。 (B)自在な骨配向化誘導のための生体材料創製 レーザ照射による金属材料表面への微細周期構造形成のための制御パラメータ(レーザ波長・パルス幅等)の最適化により、接着斑制御による骨配向化誘導のための形状設計指針を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記載のとおり、本年度(平成30年度)に計画していた項目は、当初の計画以上に進展し、特に骨配向化方向(平行性/直交性)を決定する遺伝子メカニズムの候補因子を同定したことは極めて意義深い。以下に、代表的な項目ごとの進捗を示す。なお、記号の意味は、◎:当初の計画以上に進展、〇:計画通り進展、とする。
①材料表面形状に応じた細胞接着様式の定量的理解(〇)、②材料表面の溝サイズに応じた「平行性/直交性」の骨基質形成メカニズムの解明(◎;マイクロアレイ解析に基づき、制御遺伝子の候補を見出した)、③骨配向化促進材料創製のための表面形状設計・制御(〇)
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に計画していた研究項目は一部計画を前倒ししつつ進展し、材料表面形状サイズに応じて平行性/直交性の骨基質形成を制御する候補遺伝子の同定に成功した。今後は表面形状―細胞間相互作用に着目しつつ、骨配向化を制御する生物学的シグナル同定を目指し、骨配向化促進材料創製と相補的に研究を進める。
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Research Products
(16 results)