2019 Fiscal Year Annual Research Report
微細なイガグリ構造を利用した酸化消光フリーのシリコン発光材料の開発
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17H04962
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
稲澤 晋 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30466776)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シリコン / イガグリ形状 / エッチング / 反応中間体 / エッチングプロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
イガグリ形状の制御に力点を置きメカニズム解明を行った。イガグリのイガの細さや溝の深さを自在に制御できれば、本研究が目指すイガ先端での酸素分子の物質移動阻害を実現する基盤となる。前年度までの知見を基に、ウェットエッチング条件でのイガグリ粒子形状の変化を観察した。マイクロ粒子が酸液に触れると粒子表面での化学反応によってシリコンが溶解する。したがって、固体粒子と酸液の接触を保てればエッチングが順調に進むと予想される。しかし、シリコンマイクロ粒子をエッチング溶液に浸した状態でよく撹拌するとエッチングが遅くなるだけではなく、イガグリ形状に削れていかないことを見いだした。反応する物質同士を均一に撹拌することは、化学反応を円滑に進める上での「常識」であるが、それが成り立たない系であることを明らかにした。既往の研究では、シリコンが酸液に溶解する反応では、硝酸に起因する反応中間体の存在が極めて重要とされている。これを基に考えると、反応中間体は粒子表面でしか生成しないため、よく撹拌を行った場合は粒子表面で生成した反応中間体が表面から離れてしまい、それ以上エッチングが進行しないと考えられる。実際に、酸液によるマイクロ粒子表面での反応と、反応に伴う熱のやりとり(反応熱および溶解熱)を考慮した錬成数理モデルをたて、数値計算を行うと、撹拌によって粒子表面の反応中間体濃度が下がること示す結果が得られた。イガグリ状のシリコンマイクロ粒子を得るには、粒子内の結晶粒界の発達具合だけではなく、エッチング条件も極めて重要であることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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