2017 Fiscal Year Annual Research Report
Defect-free and large-scale formation of biomimetic reverse osmosis membranes using a liquid-liquid interface
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17H04963
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐伯 大輔 神戸大学, 工学研究科, 特命助教 (70633832)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 膜分離 / 逆浸透膜 / 生体模倣 / リポソーム / 脂質二分子膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は下記の項目について検討した。 I.液液界面接触法による脂質二分子膜の形成 脂質二分子膜を展開するための基材の選定を中心に検討した。セルロースなどの柔軟性を有し、大面積化が容易な高分子多孔体を用いて、多孔体と脂質分子の間の疎水性相互作用や静電相互作用により脂質二分子膜を展開する方法を確立した。光褪色後蛍光回復法により、多孔体表面に平面的かつ連続的な脂質二分子膜が形成されていることが確認できた。NaClに対する透過性評価から、無欠陥であることも確認できた。また、水分子の透過孔となる水チャネルの導入方法についても検討し、脂質二分子膜形成後に水チャネルを溶液として添加することで、水チャネルを導入する方法を確立した。蛍光標識したモデル物質を用いて、脂質二分子膜への導入を直接観察することもできた。 II.物理的・化学的強度の付与 支持体となる多孔体表面に高分子保護層を導入することで、物理的強度の向上を試みた。交互吸着法により多孔体表面に高分子保護層を形成し、その表面に脂質二分子膜を展開することで、脂質二分子膜にクロスフローろ過に耐えうる物理的強度を付与できる可能性を見出した。強度は高分子の積層数に依存する傾向が得られた。また、光架橋性脂質DiynePCを用いた脂質二分子膜の架橋についても検討し、脂質分子の光架橋に伴い膜構造の変化がみられ、架橋が水チャネルの導入・構造に影響を与える可能性が示唆され、水チャネルの機能発現には更なる条件検討が必要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
二分子膜形成については、高分子多孔体表面へ脂質二分子膜を形成する手法は確立できたものの、透水性の発現には至っていない。一方、強度付与については、クロスフローろ過における圧力に耐えうる強度を達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、引き続き、液液界面接触法による脂質二分子膜の形成、及び物理的・化学的強度の付与について検討を行う。所属の異動を当初想定しておらず、これまで用いていた評価装置が現在の所属機関に無いものが多いが、学内外の共有機器を利用するなどして、計画通り進める予定である。
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