2019 Fiscal Year Annual Research Report
金属間化合物―固溶体ハイブリッドアロイを用いた高効率触媒系の開発とその学理の構築
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17H04965
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古川 森也 北海道大学, 触媒科学研究所, 准教授 (10634983)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 合金触媒 / 擬二元系合金 / 金属間化合物 / 脱水素 / ハイブリッドアロイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は交付申請書に記載した計画研究の対象反応として、メチルシクロヘキサン脱水素に着目し、ハイブリッドアロイの概念をベースに高効率な触媒の開発を行った。具体的には、メチルシクロヘキサン脱水素においては、これまでの検討から、Pt3Feが高い触媒活性を示すことを見出していた。本年ではこのPt3Feをベースに種々の第三金属をハイブリッドさせたPt3(Fe0.75M0.25)/SiO2(M = Co Ni, Cu, Zn, In, Ga, Sn ,Pb)を調製し、触媒性能の比較を行った。その結果、Pt3(Fe0.75Zn0.25)/SiO2が極めて高い活性、選択性、そして耐久性を示すことを見出した。本触媒はPt/SiO2の約3倍の活性を示すだけでなく、トルエン選択性も高く(99.6%)、さらにはそのパフォーマンスを50時間以上維持できることが判明した。これらのは、水素キャリア利用への展開を考える上で非常に重要な成果であるとともに、水素社会の実現に資する成果でもあると言える。また種々のキャラクタリゼーション(XAFS、XPS、TPO、HAADF-STEM-EDX)およびDFT計算を用いた詳細な反応機構解析から、FeとZnはコークの排出と生成物の脱離をそれぞれ促進することにより結果的に選択性と耐久性を高めることが判明した。この様に、ハイブリッドアロイを適用することにより、複数の機能を反応場に付与することができ、それにより極めて有用な触媒系を構築できることが示された。またそれだけでなく、詳細な機構解析を通した原子レベルでの理解により、ハイブリッドアロイの学理の深化も達成することができた。なお本成果は、ACS Catalysis誌に掲載された(10.研究発表:雑誌論文1)。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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