2019 Fiscal Year Annual Research Report
Acceleration Mechanism of Xenon Ion in Electric Propulsion Thrusters
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17H04973
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
月崎 竜童 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (70720697)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イオンエンジン / マイクロ波 / プラズマ / 2光子 / レーザ誘起蛍光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙科学研究所が主力技術として研究開発を進めるマイクロ波放電式イオンエンジンを題材に研究を行っている。本装置は、電極は用いずマイクロ波にてプラズマを生成するため、宇宙機器として必須の長寿命・高信頼を内在している一方で、ラングミュアプローブを用いた内部診断が行えず、性能改善が見通しよく進めることができないでいた。そこで申請者は光ファイバやレーザを駆使した計測に取り組んできた。本研究では、レーザを用いてエンジン作動状況にて内部のプラズマを計測をおこなう。マイクロ波放電式イオンエンジンの推進性能は中性粒子密度分布と密接に関係することがこれまでの研究成果でわかっている。本研究では、2光子レーザ誘起蛍光法を用いて基底状態の中性粒子密度を計測する。2019年度は励起状態の中性粒子密度が無視できるほど小さく、基底状態の中性粒子密度が全中性粒子密度と一致することを特定した。さらにイオンエンジン内部ではプラズマ発光に起因するノイズに対し、中性粒子の蛍光強度が弱く、定量的な考察を行うにたるSN比が実現できなかったが、測定系を1つ1つ最適化し微調整することで2019年度に初めて内部を定量的に計測できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
査読論文も出て順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
イオンエンジンやマイクロ波カソードへの適用をさらにすすめ、推進剤投入方法や流量によって内部でどのような物理的な違いがみられるのか測定にて明らかにする。 またダイレクトモンテカルロ法によって、プラズマ無し状態で、実験と数値計算結果を比較する。これらを前提条件として、プラズマが有りかつイオンビームを引き出した状態、すなわちエンジンの稼働状態での数値計算モデルへと発展させ、性能向上のメカニズムを数値計算モデルとして確立させる。
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