2020 Fiscal Year Annual Research Report
ESキメラマウスを用いた精子機能解析法の確立と応用
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17H04987
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 治彦 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (50604732)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 精子 / 鞭毛 / 不妊 / ダイニン |
Outline of Annual Research Achievements |
日本を含む先進諸国では6組に1組の夫婦が不妊に悩んでいるとされ、少子高齢化が進む中、不妊症は重大な社会問題となっている。不妊症の約半分は男性に起因し、その原因の約20%は精子運動性の低下であると言われている。そのため、精子運動性低下の原因究明や診断・治療法の確立が急務である。本研究では、欠損すると胎生致死や生後致死になる遺伝子の機能解析に向けて、ESキメラマウスを用いた精子機能の解析法を確立する。また、確立した手法を用いて、精子運動性が低下する精子無力症の発症機構の解明を目指す。これまでの研究では、精子ミトコンドリアがDsRed2、先体がEGFPの蛍光を示すTgマウス [Red Body Green Sperm (RBGS) マウス] からES細胞を樹立し、このES細胞を用いてHYDINが精子尻尾の形成に必須であることを明らかにした。 2020年度は、精子運動性制御に関与する分子をさらに同定するため、DNAH8 (dynein axonemal heavy chain 8) の機能解析を行った。DNAH8は精子軸糸の外腕ダイニンを構成する分子だと考えられている。CRISPR/Cas9システムを用いてDnah8のKOマウスを作製し、ウェスタンブロットによりDNAH8が欠損していることを確認した。Dnah8・KOマウスは生後致死を示さなかったので、キメラマウスを用いた解析を行う必要はなかった。次に交配試験を行ったところ、Dnah8・KOマウスは雄性不妊を示した。さらにDnah8・KOマウスの精子を観察したところ、鞭毛が短く、運動性を示さなかった。これらの結果から、DNAH8が精子鞭毛の形成に必須であることが分かった。また、ヒト不妊患者でもDNAH8の変異を同定し、DNAH8が不妊の原因遺伝子であることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)