2018 Fiscal Year Annual Research Report
1細胞がんー間質相互作用解析による抗癌剤耐性克服ターゲットの探索
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17H04992
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河村 大輔 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (10776082)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん-間質細胞間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞は周囲の間質細胞との相互作用によって生存に有利な状況を作り出しているが、抗がん剤の耐性獲得にも重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。研究代表者らはマウスに移植したヒトがんXenograft系における全トランスクリプトームシーケンスから、ヒト成分とマウス成分をin silicoで分離することで、がん細胞-間質細胞間の相互作用全体(インターラクトーム)を包括的に解析する技術を開発した。本研究ではこの技術を単一細胞レベルの解析に拡張し、がん細胞と線維芽細胞・血管内皮・炎症細胞など各間質細胞との相互作用を個別に解析する技術を開発する。本手法により担癌マウスの抗がん剤等の介入前後のインターラクトームプロファイルを解析することで、間質を標的とした薬剤等の作用メカニズムの解明や抗癌剤耐性克服ターゲットの同定を目指す。 平成30年度は、平成29年度に研究代表者らの開発したシングルセル・トランスクリプトーム用の細胞間相互作用全体(インターラクトーム)解析アルゴリズムおよびソフトウェア・ビューアをさらに改良し解析の精度を高めた。また、最新のデータベースを参考に、重要な細胞間相互作用を複数追加した。本手法を用いて実際に担癌マウスのシングルセルトランスクリプトームプロファイルを解析し、特徴的かつ重要な相互作用の同定を行なった。また、本研究成果を海外の学会で発表し、他の研究者と議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載のとおり概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、担癌マウスに治療薬投与等の介入を行い、その前後のシングルセルトランスクリプトームプロファイルを取得する。それらのデータから介入によるインタラクトームの変化をこれまでの研究で開発した手法を用いて解析することにより、重要な微小環境からのシグナルを明らかにすることを目指す。なお、本年度は昨年度に引き続き免疫不全マウスを用いるPDX(Patient-Derived Xenograft)に比べて免疫環境がより臨床検体に近い発がんモデルマウスを対象とする予定である。また当該腫瘍の臨床組織検体を免疫染色・In situ hybridization 等によってタンパクの局在やその集団内頻度についての検討を行う。
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Research Products
(3 results)