2018 Fiscal Year Annual Research Report
Pre-tRNA cappingが関与する遺伝子発現制御機構の探究
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17H04997
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大平 高之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (90727520)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | tRNA / 成熟化 / 5' cap / 転写後修飾 / 遺伝子発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、以下の3つの課題を実施した。 ①5’cap修飾を持つpre-tRNAの特定と動態の解析: 5’cap修飾されたpre-tRNAのハイスループットシークエンス解析による網羅的な解析法を確立するため様々なパラメータについて条件検討を行い、実際にpre-tRNAを蓄積した出芽酵母細胞を用いて解析を行った。その結果、おそらく全てのpre-tRNAが5’cap修飾されていること、tRNA遺伝子の転写開始点を特定することに成功した。 ②pre-tRNA cappingが関与する新規の遺伝子発現制御機構の探求:pre-tRNAとキャップ依存的に相互作用していたタンパク質について、ハイスループットシークエンス解析により、このタンパク質と相互作用していたpre-tRNAのNGS解析により網羅的に特定した。この結果、このタンパク質は様々なpre-tRNAと相互作用していること、特に成熟化が進行したpre-tRNAと相互作用していることが確認された。 ③X cap付加酵素の探索:X cap修飾を持つpre-tRNAを大量に調製し、質量分析によりX cap修飾の構造解析を行い、構造を決定することに成功した。その構造から生合成機構を推測し、X cap修飾酵素の候補遺伝子を絞り込み、それぞれの遺伝子破壊株を構築したが、これら株においてX cap修飾が確認されたことから、X cap修飾酵素はこれら以外であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①については、解析手法の確立に時間を要したことで、予定していたさまざまなストレス条件下の酵母細胞やさまざまな生物種について解析を実施することができなかったため。 ②については、pre-tRNAとキャップ依存的に相互作用していたタンパク質の細胞内局在の解析やその他のタンパク質が関与している可能性を検証できなかったため。 ③については、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画と比べ若干の遅れがあるので、研究体制を見直し効率的に研究を進めるようにする。 研究内容には問題がないと考えているので内容を変更する予定はない。
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