2018 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism to maintain ploidy during mammalian fertilization
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17H05005
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森 雅志 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (00747941)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 受精 / 染色体 / アクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類の成熟卵子は減数第二分裂中期で細胞周期を停止しており、2nのゲノムを保持する2倍体である。一方、成熟精子は減数分裂を完了し、すでに1倍体となっている。受精直後の胚は合計3倍体となるが、その後卵子染色体のみ半減され、最終的に2倍体を形成する。この過程で精子染色体はすべて受精胚に保持されなければならないが、それを保証する機構については全く解析されていなかった。そこで本研究では精子染色体の挙動を解析し、それらが受精胚に保持される機構の解明を目的とする。 まず我々はマウスの受精過程を高解像ライブイメージングできる系を構築した。この系を用いて卵子染色体および精子染色体を経時的にイメージングし、これらの局在が積極的に制御されていることを見出した。その制御は2つあり、一つは受精が起こる際に精子が融合する場所の制御、もう一つは融合後の細胞質における局在制御を見出した。 精子の融合場所の制御については、卵子染色体の近傍に精子が融合しないことを見出した。その制御機構については染色体と卵子の膜タンパク質の関係について解析しており、予想外の知見も得られている。 細胞質における染色体の局在制御については、受精直後の卵子染色体と精子染色体が細胞質で局在を変え得ることが分かったが、それらが近接しないことを見出した。この制御機構については細胞質流動と染色体の関係について解析しており、その機構の概要が見えてきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初大きく分けて3つ研究を計画した。①受精場所の制御についてはほとんどの解析が終了し、予想外の実験・解析も行うことができた。②細胞質における局在制御については機構のカギとなる分子を同定することができ、その因子について現在解析中である。③ヒト卵子における染色体の局在制御機構については①と②で得られた知見に基づいて、今後解析する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞質における局在制御は引き続き解析を行う。ヒト卵子における染色体の局在制御については、これまで得られた知見を参考にマウス卵子と同様な機構が存在するかを明らかにする。
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Research Products
(1 results)