2018 Fiscal Year Annual Research Report
The molecular mechanism that regulates axonal transport of synaptic vesicle precursors
Project/Area Number |
17H05010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丹羽 伸介 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (30714985)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 軸索輸送 / arl-8 / BORC / JIP3 / unc-16 / KIF1A |
Outline of Annual Research Achievements |
ARL-8は軸索輸送キネシンUNC-104の自己阻害を解除し、シナプス小胞の軸索輸送を活性化するsmall GTPaseである。small GTPaseは一般的にGDP型で膜から外れ、GTP型で膜に結合をする。この性質を利用してゴルジ体の膜状に局在しているARL-8::YFPが膜から外れる変異体を作製し、その原因遺伝子を全ゲノムシークエンスとマッピングにより解析した。これまでに得られていたBLOC-1関連複合体(BORC)の変異体に加えて、今年度は新たにUNC-16と呼ばれる分子の変異体においてARL-8::YFPがゴルジ体の膜状から外れることを発見した。UNC-16はUNC-116キネシン(キネシン1と呼ばれている)を輸送小胞上に結合するためのリンカーであると言われている。 これまでに作成したBORC変異体の中でkxd-1やblos-7ではシナプス小胞の軸索輸送に異常は見られていない。とくにblos-7変異体はin frameのdeletion mutantであるため、機能的なdeletion型タンパク質が発現している可能性が残されていた。この可能性を排除するためにblos-7にearly stop codonを導入した別アリールを作成し、blos-7は確かにシナプス小胞の軸索輸送に必須ではないことを示した。 またこれまでに遺伝学によって同定したBORC、small GTPase ARL-8、軸索輸送モーターKIF1Aを精製して混ぜることで軸索輸送の分子カスケードをin vitroで再構成する実験にも着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ARL-8をUNC-16/JIP3とよばれる分子が制御することが示唆されるデータが得られた。JIP3はKIF1A以外のもう一つの主要な軸索輸送モーターKIF5が小胞に結合する際のアダプターであると言われている。モータータンパク質同士のクロストークにつながる可能性がある重要なデータである。
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Strategy for Future Research Activity |
unc-16変異体におけるARL-8のゴルジ膜からの離脱が特異的な現象かどうかを見極めるために電子顕微鏡によってunc-16変異体のゴルジ体を観察するなどの解析を推し進める。また、これまでに遺伝学によって同定したBORC、small GTPase ARL-8、軸索輸送モーターKIF1Aを精製して混ぜることで軸索輸送の分子カスケードをin vitroで再構成する実験を完成させたい。
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Research Products
(6 results)