2018 Fiscal Year Annual Research Report
染色体異常を伴った疾患特異的iPS細胞を修復する「染色体編集法」の開発
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17H05063
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
林 洋平 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, チームリーダー (90780130)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 染色体異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
染色体異常は非常に高頻度で見られる遺伝的疾患であるが、染色体異常そのものを修復する根本的な治療法は現在のところ存在しない。申請者らの研究グループは先行研究において、環状染色体という非常に稀な染色体異常の体細胞から誘導性多能性幹(iPS)細胞を作成すると、その染色体異常が片親性ダイソミーとして細胞自律的に修復されることを見出した 。この研究はそれぞれ特異的な染色体異常を修復した例であるが、私はこの原理を一般的な染色体異常(欠失・転座)に展開し、人為的に染色体を修復できる可能性があるとの仮説を立てている。本研究は、その仮説を検証し、再生医学において応用可能であることを実証(Proof of Concept)することを目的とする。今年度はは、染色体異常を伴ったヒトiPS 細胞に対し、遺伝子組換え技術と各種薬剤耐性遺伝子を工夫して染色体を環状化し、片親性ダイソミーを持つ細胞のみを選抜する効果的なシステムを構築した。その具体的な方法としては、染色体環状化を起こす遺伝子カセット(コンストラクト)の挿入を実施した。Cre/LoxP システムなどの人工的な部位特異的DNA 組換え反応を起こす遺伝子コンストラクトをCRISPR などのゲノム編集技術を用いて挿入した。これらの部位特異的反応を起こす遺伝子とともにpuromycin などの抗生物質耐性遺伝子を発現しておき、完全に組換えが起きうる細胞のみを選抜した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の異動が合ったが、研究自体は滞りなく実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
「染色体編集」され、片親性ダイソミーとなったiPS 細胞株に対し、元の染色体異常を持ったiPS 細胞株と比較して、①染色体異常に起因する表現型と遺伝子発現の異常がそれぞれ修復されているか、②染色体編集により再生医療に用いられる質を持ったiPS 細胞株が生み出せるか、③片親性ダイソミーを伴った細胞で懸念される劣性有害変異の蓄積の影響がないか、④インプリティング遺伝子の発現挙動がどうなっているか、をそれぞれ今後検討する。
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