2017 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the role of the endoplasmic reticulum - plasma membrane contact sites in lipid transport
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17H05065
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐伯 恭範 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 客員准教授 (30794458)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脂質 / extended シナプトタグミン / Ca2+ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、extended シナプトタグミン(E-Syt1/2/3)の脂質輸送能のCa2+依存性機構の解明を主な目標に、in vitroの再構築系と培養細胞系を用いて、研究を推進させた。extended シナプトタグミン1の脂質輸送機能がCa2+依存性であることに注目し、extended シナプトタグミン1の持つCa2+結合能力のあるC2ドメインの機能解析を、種々のCa2+結合能を欠損させたextended シナプトタグミン1の変異体を用いて行った。その結果、Ca2+結合能力を持つC2ドメインのひとつであるC2Aドメインが、extended シナプトタグミン1の脂質輸送に必須のSMPドメインを自己抑制していることが分かった。その後、in vitroの再構築系と培養細胞系を用いて、C2AドメインとCa2+の結合が、C2Aドメインによる脂質輸送の自己抑制を解放させることを示した。また、3つのextended シナプトタグミン(E-Syt1/2/3)を同時に欠損させた、extended シナプトタグミン・トリプルノックアウト細胞を用いて、Ca2+依存性のホスファチジルセリンの細胞外膜への露出にextended シナプトタグミン1が必要であることを示した。この系を用いて、extended シナプトタグミン1の活性には、C2AドメインとCa2+の結合が必要であることを細胞内においても示した。これらの研究は、Yale大学のDe Camilli研究室との共同研究として行い、研究成果をThe EMBO Jounralに共同連絡先著者として発表することが出来た(EMBO J. 2018 Jan 17;37(2):219-234.)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の主な目標として、extended シナプトタグミン(E-Syt1/2/3)の脂質輸送能のCa2+依存性機構の解明を挙げていたが、論文発表につなげることが出来、おおむね目標を達成出来たと考えている。extended シナプトタグミンの生理的役割に関しては、未だ不明な点が多いので、培養細胞とイメージングを用いて引き続き研究を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降は、extended シナプトタグミンの機能のみならず、細胞内のコレステロール輸送機構に関しての研究を推し進めていく予定である。熊本大学・生命資源研究・支援センターの先生方との共同研究をさらに発展させ、遺伝子改変技術を活用して細胞内膜接着部位の脂質輸送機構への知見を深めていきたいと思っている。
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