2018 Fiscal Year Annual Research Report
腸内細菌叢の成熟に伴う腸管病原菌に対する感染抵抗性獲得機構
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17H05068
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金 倫基 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (00620220)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 腸管病原細菌 / 食餌 / 代謝物 |
Outline of Annual Research Achievements |
食事が腸管病原細菌感染に与える影響を検証するため、飼料Aと飼料B摂取マウスにおける腸管病原細菌感染に対する感受性を比較した。その結果、飼料A摂取群では飼料B摂取群と比べ、腸管病原細菌感染後の死亡日数が有意に長くなることが観察された。また、各飼料摂食群における腸管病原細菌後の病態の違いが無菌マウスでは確認されなかったことから、飼料Aによる腸管病原細菌感染の制御には腸内細菌が関与していることが示唆されている。そこで、今年度は各飼料摂餌マウスの腸内細菌叢および代謝物の解析を行い、飼料A摂餌マウスで増加している腸内細菌および代謝物の同定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
飼料A摂食群と飼料B摂食群の糞便中の腸内細菌叢の解析を行った。その結果、飼料B摂食群と比べて飼料A摂食群の腸内で有意に増加している菌種を複数見出した。さらに、CE-TOFMSによるメタボローム解析を行ったところ、飼料B摂食群と比べて飼料A摂食群の腸内で有意に増加している代謝物を数種類見出した。以上の結果から、飼料Aは腸内細菌叢や代謝物の組成を変化させることにより腸管病原細菌に対する感染抵抗性を高めていることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに飼料Aによる腸内細菌叢および代謝物の変化が腸管病原細菌に対する感染抵抗性の増強させることを示唆する結果を得ることができたので、今後は腸管感染抵抗性に関わる腸内細菌の単離や代謝物の同定を試みる。
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