2018 Fiscal Year Annual Research Report
血小板・巨核球造血を制御する骨髄微小環境の解明に向けた実験基盤構築
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17H05073
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田村 彰吾 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (60722626)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 巨核球 / 微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度は前年度の研究に引き続き申請者らが同定した骨髄巨核球造血微小環境を構成するPDPN陽性間質細胞(BM FRC-like cellとして報告)の細胞学的特性解析を行った。PDPN陽性間質細胞の骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞への分化誘導実験の結果、PDPN陽性間質細胞は近年報告された新しい間葉系幹細胞の一種であるskeltal stem cellもしくはその分化系譜に位置する細胞に近い間質系細胞であるという知見が得られた。 また、H30年度はPDPN陽性間質細胞のより詳細な分離技術を確立することができた。これまでにPDPN陽性間質細胞の分子生物学的特性解析として遺伝子プロファイリング解析を行い、骨芽細胞と近い特性を持つことが明らかになっていたが、新たに得た知見および確立した技術を駆使し、改めてskeltal stem cellおよびその系譜の細胞とPDPN陽性間質細胞の遺伝子プロファイリングを行なうことでより詳細なPDPN陽性間質細胞の細胞学的および分子生物学的特性が明らかになると予想される。 これまでの研究成果により、全く不明であったPDPN陽性間質細胞の細胞起源について仮説が立てられる段階になった。今後は組織学的および分子生物学的手法を駆使してPDPN陽性間質細胞の細胞起源を解明し、個体が骨髄内で巨核球造血微小環境を構成するメカニズムの解明へと発展させていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりにPDPN陽性間質細胞の遺伝子遺伝子プロファイリングと細胞学的な分化誘導実験を行い、PDPN陽性間質細胞の特性の一端が明らかになりつつある。その知見にはPDPN陽性間質細胞特異的もしくはPDPN陽性間質細胞を含む間葉系細胞系譜特異的な遺伝子改変のターゲットとなりうる候補遺伝子も挙がってきているため、概ね順調に進展しているとの評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施したPDPN陽性間質細胞とリンパ管FRC、リンパ管内皮細胞、骨髄血管内皮細胞、骨芽細胞との遺伝子発現プロファイリングに加えて、skeltal stem cellとその分化系譜細胞とのプロファイリングを行なう。また、これまでの結果からPDPN陽性間質細胞特異的もしくはPDPN陽性間質細胞を含む間葉系細胞系譜特異的な遺伝子改変のターゲットとなりうる候補遺伝子が挙がっており、特異遺伝子Cre発現マウスを導入してCre誘導性EGFP発現マウスと交配することでPDPN陽性間質細胞特異的EGFP発現マウスを作出する。作出したPDPN陽性間質細胞レポーターマウスは骨髄の組織学的検討やFACSを用いた細胞学的検討でPDPN陽性間質細胞の細胞期限の探索を進める。
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Research Products
(19 results)