2017 Fiscal Year Annual Research Report
医療ビッグデータと人工知能を用いた新次元的アプローチによる心筋梗塞発症予測
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17H05078
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
中尾 葉子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 上級研究員 (90752824)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 循環器疫学 / 心筋梗塞 / レジストリ / ビッグデータ / 人工知能 / 自然言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
当院心臓血管内科へ受診・入院した全患者を対象とし、電子カルテ内の診療情報、生理機能検査データ、心臓カテーテル検査データ等を、「データ」として自動抽出するシステムを開発した。抽出項目は、米国で実施されている循環器疾患のレジストリを参照し、我が国の実情に合わせて改変した上で決定した。電子カルテ内の抽出対象となったデータには、データとしての抽出が容易な数値データ、カテゴリデータの他に、テキスト形式で書かれた自然言語データが存在する。後者に関しては、IBM Watsonのうち、IBM Watson Knowlegde Studioを用いて、機械学習により自然言語解析を行い、電子カルテに記述された自然言語から該当箇所をデータとして抽出するプログラムを開発した。文章中のエンティティの識別を行い、それぞれのエンティティがどの種別に属するかを学習させ、各エンティティに対して同一性の指定、エンティティ間の「関係」を教えることを繰り返すことで、エンティティの識別と関係の識別が自動的に行えるようになった。そしてデモデータにおいてきちんと抽出されているかを検証し、必要に応じてプログラムの修正を行った。 また、循環器疾患の非構造化データの分析に関する基盤整備を行なった。テキストマイニング技術を活用し、システマティックレビューおよびメタアナリシス分析で必要な自然言語・数値情報(研究デザイン、n数、介入 [あるいは曝露]、比較、効果量、p値など)を自動収集することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画において本年度実施予定であったことを一部完了していないが、研究効率を考慮し次年度実施予定分を先取りした。従って全体計画としては、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
抽出されたデータからデータベースを構築、データクレンジングを実施し、データベースを完成させる。心筋梗塞予後予測における分類体系を確立し、予測モデルを開発する。
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