2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17H05087
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
山本 拓也 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, サブプロジェクトリーダー (60752368)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エイズ / 潜伏感染 / 免疫療法 / アジュバント / HIV / SIV / CTL / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主にin vitro実験により、SIV感染細胞における自然免疫賦活化剤の免疫活性化能を評価した。具体的には、SIV潜伏感染状態のモデルとして、SIV感染後40週の慢性持続感染期にあるカニクイザルのうち、自然に血中ウイルス量が検出限界以下となっているが、末梢血単核細胞(PBMC)中のGag DNAは測定可能な8頭を対象とした実験を行った。まずこれら個体より血液を採取し、PBMCを分離精製後、このPBMCをin vitroで免疫賦活剤により刺激した。培養上清中のサイトカイン産生を測定した結果、SIV感染細胞を用いた場合においても、非感染細胞同様にTLR7/8リガンド、ならびにSTINGリガンドを用いた場合、Type-I INFやIFN-gを強力に産生することが明らかになった。またこれらリガンド添加により、感染細胞より産生されると考えられる培養上清中のウイルスRNA量が有意に増加した。つまり、これらリガンドは自然免疫反応の活性化を介して、SIV潜伏感染細胞の再活性化を引き起こすことができる可能性が示唆された。さらに抗原特異的CTL再活性化能を評価するために、上記感染個体由来PBMCをSIV gagペプチドで刺激し、polyfunctionalアッセイを行った。陰性対照およびTLR7/8アゴニスト添加群と比較して、STINGリガンド添加群において、抗原特異的CD107a、IFN-g、TNF産生細胞数が有意に増加していた。 以上の結果をまとめると、少なくともin vitroにおいてSTINGリガンドは、SIV潜伏感染細胞の再活性化、ならびに抗原特異的CTL誘導能を有する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通り、SIV感染細胞を用いた免疫賦活化剤の活性評価のためのin vitroスクリーニングは完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず長期間SIV複製制御可能なcART治療プロトコールを確立し、その上で選択した免疫賦活化剤のin vivo投与におけるSIV潜伏感染細胞の再活性化能、ならびに抗原特異的CTL誘導能を評価することで、エイズ根治根治に向けた研究開発に繋げる。
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[Journal Article] An antigen-free, pDC-targeting immunotherapy to bolster memory CD8+ T cells in non-human primates.2017
Author(s)
Kanuma T, Yamamoto T, Kobiyama K, Moriishi E, Masuta Y, Kusakabe T, Ozasa K, Kuroda E, Jounai N, Ishii KJ.
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Journal Title
J Immunol.
Volume: 198(12)
Pages: 4707-4715
DOI
Peer Reviewed
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