2017 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子編集した表皮水疱症患者由来iPS細胞を用いた多角的再生医療の開発
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17H05089
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新熊 悟 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00613788)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 表皮水疱症 / iPS細胞 / 遺伝子編集 / CRISPR/Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、最重症型である劣性栄養障害型表皮水疱症に対する再生/遺伝子治療法を開発することである。網膜など、局所的な疾患に対する再生医療は実用化しつつある。しかし、表皮水疱症のような全身の皮膚粘膜にまたがる病変を有する先天性疾患では、再生細胞を全身にわたり生着させる必要があるため、根治的な再生治療の開発には至っていない。 本研究では鋳型となるドナー遺伝子に影響しない、変異部を特異的に認識するgene-editingを患者iPS細胞に施す。この遺伝子治療を施したiPS細胞由来の皮膚細胞を直接患部に投与する局所的治療、造血系/間葉系幹細胞を全身投与し、局部で皮膚細胞に分化・機能する全身的治療を組み合わせ、根治的な治療法の開発を目指す。 本研究では全身性先天性疾患であるRDEBに対し、遺伝子治療を施した患者由来iPS細胞を用いた局所的および全身的な再生医療を開発するため、①~④の研究を行う。①RDEB患者の線維芽細胞iPS細胞を作製 ②患者由来iPS細胞に対するCOL7遺伝子変異特異的CRISPR/Cas9技術を用いた相同組換え治療による遺伝子治療 ③遺伝子治療を行ったiPS細胞の表皮細胞、線維芽細胞、造血系/間葉系幹細胞への分化 ④RDEBモデルマウスや免疫不全マウスを用いた治療の効果と安全性の評価。現在、RDEB患者由来iPS細胞の作製、日本人に好発するCOL7遺伝子変異を特異的に遺伝子編集するCRISPR/Cas9システムの構築に成功し、現在、iPS細胞由来の間葉系幹細胞への分化実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RDEB患者由来iPS細胞の作製、日本人に好発するCOL7遺伝子変異を特異的に遺伝子編集するCRISPR/Cas9システムの構築に成功し、現在、iPS細胞由来の間葉系幹細胞への分化実験を行っている。本研究の計画①~④のうち、①および②がほぼ完了している状態で、概ね予定通り実験が進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、iPS細胞由来の間葉系幹細胞への分化実験を行っている。今後並行してiPS細胞由来の表皮角化細胞と線維芽細胞への分化実験を進め、表皮水疱症モデルマウスの治療実験を開始する予定である。
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Research Products
(3 results)