2019 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト初期胚発生型リプログラミングによるがん化しない安定したiPS細胞の樹立
Project/Area Number |
17H05100
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山田 満稔 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40383864)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ゲノム安定性 / ES細胞 / iPS細胞 / 受精卵 / 加齢 / ミトコンドリア / Zscan5b |
Outline of Annual Research Achievements |
受精卵から樹立される胚性幹細胞(Embryonic Stem Cells: ESCs)と、体細胞から樹立される人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells: iPSCs)のいずれの幹細胞も未分化能、自己複製能および多分化能を有し、細胞治療や疾患モデルへの臨床応用が期待されている。しかしながらとくに高齢者から樹立されたiPSCsは、ゲノム不安定性と低いミトコンドリア機能を呈すると報告されている。 本研究計画では胚性ゲノム活性化 (Zygotic Genome Activation; ZGA)遺伝子Zscan5bがESCsのゲノム安定性に関わることを明らかにした。 さらに加齢がもたらす幹細胞への影響の解明を目指して、マウス若齢由来3株のESCs、iPSCsに加えて、12ヶ月齢の個体からESCsおよびiPSCsを、24ヶ月齢の個体からiPSCsを樹立した。未分化マーカー遺伝子Oct4、Sox2、Klf4、Nanogについて定量的リアルタイム解析を行った結果、明らかな発現量の差を認めなかった。多分化能性の検討のためin vitroに胚様体作成を行った結果、12ヶ月齢までの幹細胞ではTUJ1、AFP、SMAの発現が観察された。加齢モデルにおけるミトコンドリア機能を評価した結果、naive型では電子伝達系が活動し、6ヶ月齢のESCs・iPSCsにおける一時的な酸素消費量の増大と、予備呼吸能の低下を観察した。7週齢から12か月齢までの線維芽細胞・ESCs・iPSCsのRNAseq解析による発現プロファイルにおいて、12か月齢のiPSCsは同一にクラスタリングされた。 これらの結果から、ZGA遺伝子Zscan5bが幹細胞のゲノム安定性に寄与すること、転写因子型リプログラミングは体細胞加齢の影響を消去できない可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
研究成果のプレスリリースになります。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Zscan5b Deficiency Impairs DNA Damage Response and Causes Chromosomal Aberrations During Mitosis2019
Author(s)
Seiji Ogawa, Mitsutoshi Yamada, Akihiro Nakamura, Tohru Sugawara, Akari Nakamura, Shoko Miyajima, Yuichirou Harada, Reina Ooka, Ryuichiro Okawa, Jun Miyauchi, Hideki Tsumura, Yasunori Yoshimura, Kenji Miyado, Hidenori Akutsu, Mamoru Tanaka, Akihiro Umezawa, Toshio Hamatan
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Journal Title
Stem Cell Reports
Volume: 12
Pages: 1366-1379
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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