2019 Fiscal Year Annual Research Report
SBEによる慢性疾患患者の副交感神経活動リザーブ増大の実現
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17H05107
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
金子 健太郎 茨城キリスト教大学, 看護学部, 講師 (40714358)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 副交感神経活動リザーブ / Slow Breathing Exercise / 慢性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は副交感神経活動リザーブを高めるSlow Breathing Exercise:SBEを用いた慢性疾患患者の臨床効果の検討である。本年度における研究計画は前年度に引き続き実験動物を用いた副交感神経活動リザーブの検討と慢性疾患患者におけるSBE効果の検討であった。 自然発症型2型モデルNSYマウスを用いた動物実験では、これまでの検討において巣箱設置を継続することにより休息期にあたる明期におけるHF値(副交感神経活動指標)が増大することと、48週齢まで継続して巣箱設置を行った実験群は対照群と比較してHF値が高く心拍数が低いことを認めた。さらに、巣箱設置による継続的な副交感神経活動の亢進はNSYマウスにおける病態進行に影響を及ぼす可能性を示唆した。これらの一連の動物実験で得た成果をもとに今後も更なる詳細な検討を行い、副交感神経活動リザーブの違いが病状進行に及ぼす影響を検討していく予定である。 慢性疾患患者を対象とした検討においては、比較的重症例である慢性腎臓病患者への介入の場合、平均5週間のSBE実施により副交感神経活動リザーブが増大する可能性が示唆された。一方で、軽症例・中等症例やいわゆる予備軍の状態にある対象者の副交感神経活動リザーブと病態との関連については不明なままであるため、更なる検討を行う必要がある。また、本研究の介入方法として用いているSBEについて、対象者にとってより効果的で取り組みやすいプログラムになるような実施・管理方法の構築を引き続き検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度の研究計画である「実験動物を用いた副交感神経活動リザーブの検討」はおおむね順調に進めることができている。一方で、慢性疾患患者を対象にした副交感神経活動リザーブを高めるSBEによる介入効果の検討では比較的重症例を対象とした検討にとどまっており、軽症例などを対象とした検討が十分にできていない。これらの研究実施内容をふまえて上記区分と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き慢性疾患の重症度や病勢、その経過と副交感神経活動リザーブの関連性について評価し、副交感神経活動リザーブを増大させる意義について検討する。対象者はこれまでと同様に外来通院する慢性腎臓病患者とし、軽症例や中等症例の検討もすすめる予定である。介入方法は定期外来受診の間の期間を利用してSBEを実施するものとする。
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Research Products
(2 results)