2020 Fiscal Year Annual Research Report
SBEによる慢性疾患患者の副交感神経活動リザーブ増大の実現
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17H05107
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
金子 健太郎 宮城大学, 看護学群, 講師 (40714358)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 副交感神経活動リザーブ / Slow Breathing Exercise / 看護介入 / 慢性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は副交感神経活動リザーブを高めるSlow breathing exercise:SBEを用いた慢性疾患患者の臨床効果の検討である。これまでの自然発症型2型糖尿病モデルマウスを用いた検討では、巣箱設置による副交感神経活動を高める長期的な介入により、病状が進行した状態においても、介入群は明期の心拍数が低く副交感神経活動指標であるHF値が高いことを認め、継続した介入が心臓自律神経活動に影響をもたらすことを明らかにした。 当該年度は、慢性腎臓病患者を対象としたSBEの効果について、上記の研究内容を踏まえて詳細な検討を行った。外来通院している慢性腎臓病患者を対象に、外来受診期間を利用した4週間以上のSBE実施による生理学的指標の変化を比較した。実施率が80%を超える症例ではSBE実施後に安静時の心拍数が低下し、HF値が増加することを認めた。一方で、実施率が低い症例においてはSBE前後で変化がないことを認めた。これらのことから、統計学的な分析はできなかったものの上記の動物実験と同じように、継続した介入が重要であることが示唆された。SBEを平均5週間実施した6名の慢性腎臓病患者の結果では、平均実施率77.2%のSBE実施により、安静時の副交感神経活動の増大や拡張期血圧の低下をもたらすことを認めた。一方で、慢性疾患患者の病態や症状の程度、合併症の有無などの様々な要因の存在と、それらによるSBE実施への影響については十分な検討まで至らず、今後の課題として残った。 これまでの一連の検討により、副交感神経活動リザーブにおいては、安静時の副交感神経活動の高さのみならず、自律神経系機能の調節能力の重要な要素であることが示唆された。今後は副交感神経活動リザーブの増大の実現に向けて、効果的な看護介入プログラムの検討だけではなく、自律神経系機能の多角的な評価方法の検討も実施していく。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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