Outline of Annual Research Achievements |
①超薄膜有機半導体結晶/高分子層の複合物質の開発:厚さ分子3層分程の極薄有機半導体単結晶膜4インチ級ウエハー作製に成功、1,600個のトランジスタを作製し、平均電荷移動度が実用化の指標となる10 cm2/Vs以上を示すことを実証した(S. Watanabe, J. Takeya, Scientific Reports, 9, 15897 (2019))。また印刷法にて、有機半導体単結晶膜を水を用いて結晶性を維持したまま基板から剥離させ、厚さわずか分子数層分の超薄膜を作製することに成功した。(S. Watanabe, J. Takeya, Proceedings of the National American of Sciences, 117, 80 (2019))。 ②構造物性研究:有機半導体単結晶と基板界面の分子の形状を0.1ナノメートルの精度で決定することに成功し、基板に物理吸着するだけで単結晶を構成する全ての分子の形状が一斉に変化することを明らかにした( N. Kobayashi, S. Watanabe, J. Takeya, Communications Physics, 3, 20 (2020))。 ③歪効果の電子物性研究:中性子散乱やテラヘルツ分光計測を用いたフォノンの直接観測に成功し有機半導体における分子振動及びフォノンの影響を明らかにした。(S. Watanabe, J. Takeya, V. Podzorov, Advanced Science, 1901824 (2019))。 ④ドナーアクセプタ電荷移動界面デバイス:有機半導体の電子状態制御原理を明らかにし、電子状態を精密に制御した金属的な性質を示すプラスチックの実現に成功した(J. Takeya, S. Watanabe, Nature, 572, 634 (2019))。
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