2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of cloud microphysics and vertical velocity by synergy use of next generation space-borne active sensors
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17H06139
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡本 創 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (10333783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 可織 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (00584236)
西澤 智明 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 室長 (10462491)
石井 昌憲 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (70359107)
中川 勝広 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所リモートセンシング研究室, 室長 (80359009)
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Project Period (FY) |
2017-05-31 – 2022-03-31
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Keywords | 雲レーダ / ライダ / 鉛直流 / 雲物理 / エアロゾル / 多重散乱 / 衛星観測 / 気候システム |
Outline of Annual Research Achievements |
波長355nmの多視野角・多重散乱偏光ライダの開発を終え、2018年度より定常観測を開始しているが、開発と観測に関する論文を投稿し4月に受理された(Nishizawa et ak., JQSRT 2021)。2波長(355nm,532nm)での高スペクトル分解ライダ(HSRL)の開発を終え、2019年半ばより定常観測を開始しているが、波長355nmのHSRLの開発と観測に関する論文が出版された(Jin et al. Optics Express 2020)。このHSRLによる観測データを用いてADM-Aeolusn衛星に搭載されたドップラーライダの地上検証を実施し、国際ワークショップにて成果発表を行った(Ishii et al., Aeolus CAL/VAL and Science Workshop, 2-6 Nov. 2020)。CALIPSO衛星搭載ライダの2006年から2016年までの11年分の全球エアロゾル特性の解析を終了した。衛星搭載ライダによる氷粒子特性解析のため、様々な氷粒子形状、配向状態、サイズを考慮し、波長355nm, 532nm, 1064nmの氷粒子の後方散乱特性とその波長比と偏光解消度の理論的解析を実施し、その結果の論文が出版された(Okamoto et al., 2020 Optics Express)。これらの解析結果を利用した氷粒子タイプ識別アルゴリズムを開発し、実際にCALIPSO衛星データに適用し氷粒子タイプを抽出した。開発してきた多重散乱偏光過程モデルにより、衛星搭載ライダの後方散乱強度と偏光情報における多重散乱過程の高速な取り扱いが可能となり、雲・降水の生成プロセスを解析する目的の新しい衛星解析アルゴリズムの開発が進展し、CloudSat衛星とCALIPSO衛星を用いた雲と降水の全球解析を実施できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発を進めてきた波長355nmの多重散乱ライダの論文が受理出版予定となり、また高スペクトル分解ライダによる連続観測を実施し、本システムのラマンライダに対する有意性を明らかにでき、観測の初期解析に関する論文の出版を行うことができた。さらに理論解析でも進展があり、初めて水平面に2次元配向した複雑形状であるボロノイ形状氷粒子の後方散乱特性の計算を実施し、後方散乱係数の波長比と偏光解消度の2次元ダイアグラムや、消散係数と後方散乱係数の比で定義されるライダー比と偏光解消度の2次元ダイアグラムを作成した。これらのダイアグラムを利用することで、衛星ライダ観測から氷粒子形状や配向状態等の粒子タイプの情報を抽出することが可能となった。このダイアグラムを実装したアルゴリズム開発を終え、CALIPSO衛星の観測データ解析から、氷粒子タイプ識別を行うことができた。衛星ライダからエアロゾル特性を抽出可能なアルゴリズムの開発も進展し、11年の長期解析を終えることができた。さらに、衛星ライダに特有の多重散乱の高速な解析が可能な物理モデルによる知見を用いて、衛星アルゴリズム開発を行って、雲と降水の物理特性の抽出とそれらの生成メカニズムに関して解析可能なものを開発できた。ドップラーライダと多重散乱ライダの同時解析による雲底高度と鉛直流の関係解析を実施しており、衛星アルゴリズムへの適用を予定している。これらから本研究課題で最終目標としている雲特性のパラメタリゼーソションの確立に関して大きな進展が見込まれる。以上からおおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
ドップラーライダ・雲レーダと多重散乱ライダを組み合わせ、衛星に適用可能な雲高度と雲の中の鉛直流の関係を導く。ドップラー雲レーダとドップラーライダの同時観測、それらと高スペクトル分解ライダ、多視野角・多重散乱偏光ライダ観測を組み合わせた複合解析を実施する。これまでに開発した雲粒子タイプ・氷粒子形状と配向識別手法を、雲・降水微物理特性抽出アルゴリズムに取り入れ従来より格段に高精度な雲微物理特性抽出手法を確立する。同時に粒子落下速度、鉛直流解析を実施し、複合観測解析プロダクトデータセットを作成する。高スペクトル分解ライダとドップラー雲レーダ・ドップラーライダから、エアロゾル・雲・降水に関する粒子タイプ識別等の衛星解析 アルゴリズムの検証と改良を実施する。ドップラー雲レーダとドップラーライダのデュアルドップラー観測から、雲・降水粒子の落下速度と大気の鉛直流を独立に抽出する。氷雲、霧雨、降水域では、多視野角・多重散乱偏光ライダと高スペクトル分解ライダに加えドップラー雲レーダ ・ライダも組み合わせて、衝突併合に伴うサイズ分布形状の変化を考慮した抽出アルゴリズムを開発し微物理特性抽出を行う。HSRLと多重散乱ライダを複合利用したエアロゾルの微物理特性解析アルゴリズムを開発する。これら開発した衛星アルゴリズムを、CloudSat/CALIPSO/Aeolus衛星のデータに適用し、雲・エアロゾル・降水の粒子タイプ識別とそれらの微物理特性の全球分布を 解析する。水雲解析には、Physical Model (PM)法とVectorized Physical Model (VPM)を衛星ライダ解析に適用し、水雲の微物理特性の全球解 析を行う。これら衛星から解析された雲・エアロゾル・降水粒子の微物理特性と鉛直流の複合解析から、雲粒子生成に関するパラメタリゼーションの検証と高度化を実現する。
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Research Products
(44 results)
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[Journal Article] Observation of clouds, aerosols, and precipitation by multiple-field-of-view multiple- scattering polarization lidar at 355 nm2021
Author(s)
T. Nishizawa, Y. Jin, N. Sugimoto, K. Sato, M. Fujikawa, S. Ishii, M. Aoki, K. Nakagawa, H. Okamoto
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Journal Title
Journal of Quantitative Spectroscopy & Radiative Transfer
Volume: in press
Pages: -
Peer Reviewed
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[Journal Article] DEVELOPMENT OF DIRECT-DETECTION DOPPLER WIND LIDAR FOR VERTICAL ATMOSPHERIC MOTION2020
Author(s)
Ishii, S., M. Aoki, K. Tominaga, T. Nishizawa, Y. Jin, N. Sugimoto, Y. Shibata, A. Sato, K. Sato, H. Okamoto
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Journal Title
EPJ Web Conferences ILRC 29
Volume: 237
Pages: 06006-06006
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] An overview of and issues with sky radiometer technology and SKYNET2020
Author(s)
Nakajima T., Campanelli M., Che H., Estells V., Irie H., Kim S., Kim J., Liu D., Nishizawa T., Pandithurai G., Soni V. K., Thana B., Tugjsurn N., Aoki K., Go S., Higurashi A., Kazadzis S., Khatri P., Kouremeti N., Kudo R., Marenco F., Momoi M., Ningombam S. S., Ryder C. L., Uchiyama A
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Journal Title
Atmos. Meas. Tech.
Volume: 13
Pages: 4195-4218
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] Japanese science update for 34th EarthCARE JMAG2020
Author(s)
H. Okamoto,Y. Ohno, T. Nishizawa, T. Nakajima, K. Suzuki, M. Satoh, K. Sato, Y. Hagihara, Y. Jin, M. Wang, E. Oikawa, W. Roh.
Organizer
34th JMAG Meeting
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] Japanese science update for 33rd EarthCARE JMAG2020
Author(s)
H. Okamoto,Y. Ohno, T. Nishizawa, T. Nakajima, K. Suzuki, M. Satoh, K. Sato, Y. Hagihara, Y. Jin, M. Wang, E. Oikawa, W. Roh.
Organizer
33th JMAG Meeting
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] Result of validation experiment for Aeolus wind data in Japan2020
Author(s)
S. Ishii, H. Iwai, M. Aoki, M. Ohshiro, J. Amagai, P. Baron, H. Okamoto, K. Sato, E. Oikawa, T. Nishizawa, Y. Jin, N. Sugimoto
Organizer
ESA Aeolus CAL/VAL workshop
Int'l Joint Research
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[Presentation] Current activity for future Space-Based Doppler Wind Lidar in Japan2020
Author(s)
S. Ishii, K. Okamoto, K. Fujihira, A. Matsumoto, T. Kubota, T. Imai, D. Sakaizawa, S. Imamura, N. Tomii, I. Okabe , S. Yamanaka, R. Oki, M. Satoh, and T. Iwasaki
Organizer
Working Group Meeting on Space‐based Lidar Winds 2020
Int'l Joint Research
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